骨ホルモン「オステオポンチン」「オステオカルシン」を増やして若返り&免疫力アップ!【40代・50代、知れば知るほどおもしろい!ホルモンの世界⑦】
40代、50代になると誰もが“老化”を感じやすくなるもの。その原因のひとつが、骨から分泌されるふたつのホルモン「オステオポンチン」「オステオカルシン」の減少なのだとか。逆に、このホルモンを増やすことで若返り効果が期待できるそう。どのようなホルモンなのか、そしてどうしたら増やせるのかを内科医の工藤孝文さんに伺った。
免疫力アップに貢献する「オステオポンチン」、筋力や生殖力、記憶力などを若く保つ「オステオカルシン」
ホルモンというと、内臓から分泌されているものと思いがちだが、実は骨からも分泌され、ヒトの若さや健康にかかわっていることがわかってきた。そして骨から分泌される代表的なホルモンが「オステオポンチン」「オステオカルシン」だ。どんなホルモンなのか、工藤先生に伺った。 「骨には、古くなった骨を壊す破骨細胞と、新しい骨をつくる骨芽細胞があります。そして破骨細胞が古い骨を壊す“骨吸収”と、骨芽細胞が新しい骨をつくる“骨形成”を繰り返すことで骨は新しく生まれ変わっています。そして、オステオポンチンとオステオカルシンは、どちらも骨芽細胞から分泌されます。 まずオステオポンチンは、骨髄で血液をつくり出す造血細胞の機能を若く保つ働きや、免疫細胞の量をコントロールする働きがあり、全身の免疫力アップに貢献しています。オステオポンチンは、母乳に最も多く含まれる成分でもあり、赤ちゃんの免疫に働きかけ、感染症やウイルスから守る役割を果たしています。 一方、オステオカルシンは血液を通じて脳や生殖器、筋肉、膵臓(すいぞう)などに届けられ、筋力や生殖力、記憶力などを若く保つ作用があることから、“若返りホルモン”と呼ばれています。 認知・記憶機能の改善、心臓・血管の健康維持、血糖値の上昇抑制、肝機能の向上、筋肉の増強、脂肪の蓄積抑制、生殖能力の向上、栄養素吸収の促進と多くの働きがあります。ですから、このふたつのホルモンがしっかり分泌されていると、病気にかかりにくくなり、若々しさも維持できるのです。 ただし、オステオポンチンについては、加齢や内臓脂肪の増加などによって免疫細胞から大量に放出されると、一転して老化や慢性疾患が進むという研究報告もあるので、適度に分泌されていることが大切。未だ研究途中なのですが、今後解明されていくことで、若さを保つ有益な方法が見つかることが期待されます」
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