ワークマンがつくる「未来の服」冷暖房服「ペルチェベスト」の革新性
冷蔵庫みたいな服をつくれないか?
山田: 「ペルチェベスト」はどういった経緯で生まれたのですか? 土井: 夏の暑さ対策はワークウェアにとって最大の課題のひとつです。ワークマンで販売している「ファン付きウェア」も、夏のワークウェアとして大変ご好評をいただいておりますが、暑い場所で働くと熱い空気が回ってしまうことになるので、やはり限界はあります。 また、服の外側からファンで空気を入れるのである程度音がしますし、どうしても服が膨らんでしまい、見栄えが気になるという声もあります。 そういうこともあり、「ファン付きウェア」を超える涼しい服を開発できないか、ということが企画の出発点になりました。 山田: 「ペルチェ」は馴染みのない言葉です。 土井: ペルチェとは冷却と加熱を制御する電子部品のことで、日常生活で一番身近なのは冷蔵庫やワインセラーです。この仕組みを使って服をつくれないか、というアイディアをもとにいろいろリサーチしたり、ご紹介していただいたりしたなかで出会ったのが、株式会社Shiftallさんです。
2024年春夏では、2種類の「ペルチェベスト」が展開されています。 1つ目が「ウィンドコアアイス×ヒーターペルチェベストPRO」。こちらは冷却と温熱が可能な「冷暖房服」です。
土井: そして、2つ目が「ウィンドコアアイスペルチェベスト」。こちらは冷却のみの「冷房服」です。
開発者が他社製品を見て「勝った!」と思うポイント
土井: 右側の七角形のアルミの板が、Shiftallさんと開発したペルチェデバイスで、これが冷房と暖房両方の役割を果たします。
土井: この製品の最大の特徴は、ペルチェデバイスの面積の大きさです。デバイスの面積が大きいと、その分温度の変化も大きくなります。スイッチを入れて最速約1秒で、暖かくする場合は25度、冷たくする場合は6度と、温度が素速く変化します。
土井: この丸いデバイスは暖房のみを受け持ちます。
土井: 冷暖房はこのスイッチで切り替えます。