「ここ有料道路だったの!?」がやけに多い“千葉県”なぜ? 今やフツーに使ってる“実は神ルート”な道たち
東総有料道路(2018年4月無料化)
東関道大栄IC付近から東に走り、成田市と旭市を短絡するルートとして整備されたのが「東総有料道路」です。片側1車線の対面交通で、平面交差や信号もある道路ですが、付近の他の道路が丘陵地帯をうねうねと走る線形であったことから、十分な時短効果を持つ道路として機能しました。
房総スカイライン有料道路/鴨川有料道路(2019年4月無料化)
「房総スカイライン有料道路」「鴨川有料道路」は、山深い房総半島を一体としてほぼ南北に貫き、内房の君津市と外房の鴨川市を結ぶルートを形成していました。 房総スカイライン有料道路は当初2008年に償還、無料開放を予定していましたが、利用者が想定よりも伸びなかったことから、鴨川有料道路との「プール制」が採用され、償還期限が延長され続けました。 なお正式な無料化は2019年4月ですが、房総スカイライン有料道路は近隣道路のトンネル内崩落事故での通行規制による迂回路として、2013年2月からの暫定的な無料開放措置が続き、実質的にはこのときからの無料開放となっています。
勝浦有料道路(2008年4月無料化)
南房総のリゾート地として名高い勝浦市の市街地を山側にバイパスする道路として1978年に開通した道路が「勝浦有料道路」です。 ただ実際の時間短縮効果はそれほどでもなく、多くのクルマが市街地を抜ける旧道を選んだため、収支は不調のまま償還期限の30年を迎え、無料開放されました。現在は国道128号「勝浦バイパス」となっています。 ※ ※ ※ 千葉県にはこのほかにも多く無料開放された有料道路が存在し、また現在も料金徴収を続けている道路もあります。これの背景には、千葉県が“山がちの房総半島”“利根川、江戸川などの大河の流域”という特有の地勢から、時短効果を目指す道路が建設費のかかるトンネルや橋に頼らざるを得ないといった事情があると思われます。 なおいくつかの有料道路は「料金所の迂回」により通行料金の支払いを免れることができますが、多くのドライバーがそうした行動を取った場合、収支の悪化から本来の利便性を発揮できないまま無料開放が遅れ、最終的に税金で尻拭いするという決着になりがちです。 一方、流山道路のようになかば“強制的”に料金徴収ができる道路であれば、早期の無料開放が実現し、多くの人がその恩恵に預かることができます。 これはいつの時代にも解決が困難な、難しい問題だと言えそうです。
植村祐介(ライター&プランナー)