ユニチカグループが撤退する繊維関連セグメントの直接取引先、国内に664社
2024年11月28日、東証プライム上場の大手繊維メーカーであるユニチカは、地域経済活性化支援機構(REVIC)に再生支援の申し込みを行い、同日付で同機構より再生支援の決定を受けた。
祖業である繊維事業から撤退、取引先に影響も
今後、事業再生を進めるに当たり、取引金融機関に対して債権放棄等の金融支援を依頼するほか、REVICや主要取引銀行である三菱UFJ銀行からの資金調達を行う予定。また、祖業である繊維事業(衣料繊維事業、不織布事業、産業繊維事業)から撤退し、食品包装用や工業用フィルムなどの高分子事業を中心とする事業に経営資源を集中することも発表した。 撤退する繊維事業は、土木や建築、インテリアなどの産業繊維分野、生活雑貨や寝装などの衣料繊維分野に分類され、連結子会社を通して染色といった加工を依頼する取引先も少なくない。事業再生に当たって商取引債権への影響はないが、今後、取引が縮小する仕入れ・外注先が出てくる可能性がある。 また、他社への事業譲渡や生産移管などが進められることとなるが、不調に終わった場合は、商品供給の面で販売先企業にも影響が及ぶ可能性がある。 帝国データバンク大阪支社では、保有する企業概要データベースから、ユニチカグループの「繊維」「機能資材」の両セグメントに属する連結子会社と直接取引のある国内企業(個人経営、各種法人等含む)を調査。その結果、直接取引のある企業は664社にのぼることが判明した。 このうち、仕入れ・外注先が256社、販売先が454社となっている(仕入れ・外注先と販売先に重複している企業があるため単純合算とはならない)。
「繊維」や「化学」関連の取引先に影響が広がる可能性
仕入れ・外注先企業を見ると、『製造業』が135社と過半を占め、『卸売業』が80社、『運輸・通信業』が15社で続いた。 細分類別では「繊維・繊維製品・服飾品製造業」(83社)、「繊維・繊維製品・服飾品卸売業」(35社)と繊維関連業種が上位となり、「化学品製造業」(26社)、「化学品卸売業」(14社)が続いた。 ユニチカグループが祖業である繊維事業から撤退することにより、繊維や化学関連の取引先において、販売先喪失などの影響が出る可能性が示唆される。