「シンプルにウケりゃいいじゃん」お笑いコンビ・虹の黄昏が創り出す独特な世界
◇ウケないで受かるよりウケて落ちるほうがいい ――コントに入る前にお互いがギャグをしますが、そのネタはそれぞれが考えてるんですか? 野沢:そうっすね。基本的にはお互いが考えて、ギャグパートは打ち合わせもしない。 かまぼこ:一言ギャグみたいな感じですね。 野沢:コント入る前に、かまぼこ体育館がジャケット脱いで一言バン! っていうみたいな。 かまぼこ:最初はギャグじゃなかったけどね。 野沢:そう。1回ウケたことがあって、ネタ始める前にワンアクションあったら雰囲気を掴めるんじゃないかって。ただ相棒が外すときもあるから、俺がリカバリーのギャグを考えるようになった。ただ見たものだったり、大声だと面白そうなことを叫んだりしてます。 かまぼこ:野沢は見た目のギャグが多いけど、俺は文学的な言葉が多いんです。「歩いたら歩いただけ歩けるようになる」「食卓に並ぶ魚たち」とか。 野沢:どこが文学的だよ! ――(笑)。かまぼこ体育館さんが芸人になってから、芸のお手本にしていたり、憧れている方はいますか? かまぼこ:お手本かぁ、ネタは正直ないんですけど、平場のボケとかはBBゴローさんに学びましたね。事務所の先輩だったんですけど、プライベートでもくだらないボケとかばっかりしていて。初めて行く居酒屋で「おばちゃん、いつもの」とか言って、ただ困惑させたりとか。 野沢:BBゴローさん経由で、西口プロレスの人たちと知り合うこともできたんです。メインストリームではないけど、そういう人たちに興味がどんどん出てきて、“こっちが本当のお笑いなんじゃないか”って強く思いました。そのおかげでメジャー志向がどんどん薄れていっちゃったけど。 ――その思いはかまぼこ体育館さんも同じでしたか? 例えば“俺はもっとテレビに出たい!”とか。 かまぼこ:特になかったですね、そんな話し合いもしたことないけど、方向性の違いとかも感じたことないんですよ。シンプルにウケりゃいいじゃんってのが一緒。 野沢:自分たちがウケる笑いが絶えずできればって感じ。辞めようとか話したこともない。これまでもテレビに出たのにチャンスを逃しまくったりしてるけど、このままのスタンスで“いつか売れんじゃねぇか”って夢見ちゃってます。賞レースで負けたとしても、一晩寝れば忘れるし。 かまぼこ:自分たちが面白いと思ってることやってるんで。 野沢:俺らは面白いと思ってやってるから、悔しいとかもあまり思わないですね。 ――舞台に立つときに意識してることを教えていただけますか? 野沢:常に全力ってことぐらいですかね。“こいつらパワーあるな!”って無駄に思わせたい。どんな小さな会場でも200%でやります。 最前に座ったヤツは唾を浴びに来たんだろ!って感じで。 かまぼこ:常にパワーアップしていきたいですね。あと痩せたい。 野沢:お笑い関係ねえな! 下り調子のかまぼこ体育館の調子が上がってくるといいっすね! (取材・撮影:TATSUYA ITO)
NewsCrunch編集部