早めに手に入れないと一生乗れなくなる! 中古のタマも絶滅寸前な「2ストローク」ジムニーが人を引きつけるワケ
■2ストロークエンジンが搭載されていたジムニーは?
スズキ・ジムニーには、1970年に発売された初代のLJ10/20系&SJ10系と、2代目初期のSJ30系にのみ2ストエンジンが搭載されていました。 初代のLJ10系に搭載されていたのは「FB型」で、360cc規格に合わせた359ccで25馬力を発生する空冷2気筒の2ストロークタイプです。 初代のマイナーチェンジ版であるLJ20型は、水冷化されて安定性が増した「L50型」を搭載。排気量は同じ359ccで出力が28馬力にアップしています。 そして、1976年に軽自動車の規格が変更されたことに合わせてもう一度マイナーチェンジが行われました。エンジンは550ccとなった規格に合わせて539ccに排気量アップされた「LJ50型」。2気筒から3気筒になりました。パワーは26馬力に留まっていますが、トルクが3.8kg-mから5.3kg-mへと大幅に向上し、オフロードでの戦闘力がアップしています。 1981年にはフルモデルチェンジが行われて2代目のSJ30系になりました。エンジンはSJ10系と同じ「LJ50型」が搭載されますが、パワーは28馬力へと少し向上しています。 2代目の中期(JA71系)からは4ストロークターボの「F5A型」エンジンへと切り替わり、2ストロークエンジンはラインアップから外れました。
■2ストロークエンジンの魅力
メーカーが2ストロークエンジンを採用したのは、上記のように同じ排気量なら出力とトルクに優れるという点です。 2代目の中期以降に搭載される「F5A型」はターボの採用で42馬力・トルク5.9kg-mへと大幅にアップしていますが、実際にオフロードコースでの登坂力や扱いやすさをクロスカントリーのマニアに聞くと、粘る特性のLJ50型2ストロークエンジンのほうが扱いやすくて数字以上に走破性がいいという意見がしばしば聞かれます。 次いで人気のポイントは排気音です。バルブがない構造の2ストロークエンジンは、4ストロークエンジンとはかなり違う排気音が特徴のひとつです。 擬音化すると、4ストロークエンジンが「ブオーン」的な締まったオトナな音なのに対して、2ストロークエンジンは「ポロンポロン」という軽やかな印象の音です。この独特な排気音が好きで乗っているというオーナーも多いでことしょう。 この独特な排気音は2ストロークエンジンにしか奏でられないものなので、その希少性も魅力の要因になっているかもしれません。 社外マフラーに交換することで、まるでレーシングエンジンかのような爽快で力強い排気音にできるので、吸排気のチューニングを行う人も一定数います。 あとはエンジンが軽量なことによる車両重量の少なさです。4ストロークターボになった後継のJA71系と比較して40~50kgほど軽量です。この点も走破性の高さに効いてくることでしょう。