元裁判官が教える「信頼できる弁護士」の見極め方
弁護士に頼まず、自分で訴訟することは可能?
ADR、少額訴訟等はおくとして、たとえば通常の民事訴訟を素人が自分だけで行うことは可能でしょうか? 結論からいえば、類型的かつ単純な事案で実質的には争いがないような場合、あなたに一定の法的感覚があれば、また、相当の苦労もする覚悟があれば、原告本人訴訟でもとりあえず何とかなるとはいえます(相手が本当にまともに争わなければ、ですが)。 訴状や準備書面は、各種のひな形を利用するか、司法書士に書いてもらうことになります。なお、被告側については、争う余地に乏しい事案では、本人訴訟がかなり多いです。 ただし、原告側の場合、判決で勝訴しても、被告が任意に履行してくれないことが多いので、その後に民事執行の申立てが必要になります。また、争う余地のない事案でも、上訴されれば、最後まで付き合うしかなくなります。 原告本人訴訟については、こうしたことも考えておく必要があります。 元エリート判事にして法学の権威として知られる瀬木比呂志氏の新作、『現代日本人の法意識』が刊行されます。 「同性婚は認められるべきか?」「共同親権は適切か?」「冤罪を生み続ける『人質司法』はこのままでよいのか?」「死刑制度は許されるのか?」「なぜ、日本の政治と制度は、こんなにもひどいままなのか?」「なぜ、日本は、長期の停滞と混迷から抜け出せないのか?」 これら難問を解き明かす共通の「鍵」は、日本人が意識していない自らの「法意識」にあります。法と社会、理論と実務を知り尽くした瀬木氏が日本人の深層心理に迫ります。
瀬木 比呂志(明治大学教授・元裁判官)