過去を保存するWindows 11「リコール」機能。ヤバげなものまで勝手に保存…
その黒歴史を残すのはヤメて~。 セキュリティやプライバシーの問題から、なかなか正式リリースまでたどりつかないWindows 11の「Recall(リコール)」機能。実際にプレビュー版を使い倒してみると、これは大丈夫なのか?という問題点も明らかになっているそうですよ。
AIが見落とし保存してしまう機密情報…
PC画面のスクリーンショットを、バックグラウンドで自動で撮影し続けて保存し、後からグンと遡って過去を辿れるリコール。あの日あの時間、画面で見ていたあれを、鮮明に思い出させてくれます。 これはやっぱり便利であるものの、えっ?そんなものまで残ってしまっているの! 振り返ってみると驚きだったり、恥ずかしかったりする画面があるのは、仕方ないのでしょうね。 とりわけクレジットカード情報や支払いに関する記録など、変に残ってしまって、万が一それが流出してしまったら困るスクショ画面って多々ありそう。もちろん、Microsoft(マイクロソフト)もそこは心得ていて、AIがフル稼働し、これはマズイなってものは、スクリーンショットの撮影保存対象から除外してくれることになっています。でも、本当に除外してる? このほどTom’s Hardwareのアヴラム・ピルッチ記者は、どこまで重要機密情報をAIが判断し、リコール機能の保存を見送っているか検証。確かにオンラインで決済をしている間のスクリーンショットは、後から辿っても出てこないようになっていたそうです。 ところがWindows 11のメモ帳にクレジットカード情報を入力したり、PDFのローン審査書類、マイナーな自作ホームページでのカード情報入力画面などは、バッチリと残ってしまっていることが確認されてしまったみたいですよ。
例え機密情報が保存されていても安全?
Microsoftは、AIが除外して撮影保存しないようにしてほしい情報が含まれるサイトなど、フィードバックで知らせてほしいと呼びかけているようです。基本がフィルタリングのリストのような判断基準となっていて、そこに載っているものはリコール機能で保存されないようにするというスタンスだったりするのかもしれませんよね。 ということは、自分が作成したドキュメントなどに含まれていたり、フィルタリングの対象外ページに入力されたりする重要機密情報は、どしどしバックグラウンドでスクショを撮られて保存されていくとも考えられます。ただし、その保存された情報は暗号化されており、Windows Helloの生体認証ログイン中しかチェックできないので、やはり安全だとMicrosoftは公言していますが…。 今はWindows Insider向けプログラムのプレビュー版で、今後は正式導入されても、希望者のみが使えるので大丈夫なんていわれてるリコール機能。どんなセキュリティにも抜け穴があり、ユーザーしか見られないはずの大切な過去の画面が、いつのまにか盗み出され、そこから入手した重要機密を悪用されてしまう危険性はゼロにはできないでしょう。それでも便利なので使うか、断固として拒否するか、これもまた悩ましい選択となってしまいそうです。
湯木進悟