頭のいい人はなぜ厳しい締め切りも余裕なのか…一瞬で「すぐ行動できる人」に生まれ変わるとっておきの方法
■これは、心理現象「スポットライト効果」だった あのジョークは、誰にも聞かれていなかった。 このときの経験は大きな教訓になった。 僕は人の目を気にしすぎていた。自分の行動は実際以上に他人から注目され、値踏みされていると考えていた。周りを見渡してみた。パーティーの参加者は、誰も僕の一挙手一投足に注目したりなんかしていない。みんな、目の前の相手との楽しそうな会話に夢中になっている。 僕は、「スポットライト効果」と呼ばれる興味深い現象の餌食になっていた。 人は他人からどう思われているかに敏感だ。これは理にかなっている。社会的な生き物である人間の扁桃体は、自分の集団内での地位を脅かすものを絶えず警戒している。しかしその結果、常に自分にスポットライトが向けられていて、周りから常に注目され、言動を分析され、人としての価値を品定めされていると思い込みやすくなる。 ■恐怖で動けないときに思い出すべき“1つの事実” 心理学者のトーマス・ギロビッチらは、2000年代前半に発表した一連の論文で、「人は他人が自分について考え、判断する度合いを過大評価する顕著な傾向がある」ことを何度も証明した。 「人は、自分の行動や外見のほんの些細なことが他人にどう伝わるかについて不安になりがちである。この不安には見当違いなものもある。外見やパフォーマンスの細部は、相手には伝わっていないことが多い。にもかかわらず、私たちは相手の意見を過度に気にしている」 誰もが、自分が周りからどう思われているかを気にしている。しかし実際には、自分が思っているほど他人からは注目されていない。 つまり、「自分のことなんて、誰も気にしてなんかいない」という事実を思い出すだけで、スポットライト効果は減らせる。恐怖心のために行動を躊躇しているとき、このちょっとした発想の切り替えが大きな解放感をもたらしてくれる。 僕のケースに当てはめて考えてみよう。