【補助金活用で200万円切り?】軽EVのN-VAN e:は、仕事でも遊びでも使い倒せるマルチさが光る電気自動車だ
重量はガソリンモデルの200kg増。タイヤサイズもアップした
電気自動車となったことで気になるのはその重量です。最上級グレードのFUNの場合、その重量差は200kgに及びます。といってもN-VAN e:FUNの車両重量は1140kgにとどまりますので、走行に関わる影響は最小限であると推測されます。 ただしN-VAN e:は商用バンとして多く使われるため、さらに300kgを上限とする荷物が積載されることとなります。そこでガソリンモデルで使用されていた12インチホイール内に収まるブレーキシステムでは、その重量増を安全に賄いきれないと判断され、e:では13インチが採用されました。 開発責任者の坂元隆樹氏によると、13インチにサイズアップしたことでタイヤ空気圧を12インチよりも乗り心地に関してプラスに働くセッティングが可能になったとのこと。さらに最適なサスペンション設定をしたことで、重量増によるネガは払拭されているといいます。
EVモデルでしか叶えられない162Nmという大トルクを実現
気になる動的スペックですが、29.6kWhのバッテリーを搭載しています。最高出力は軽自動車規格に合わせて64psとされますが、最大トルクは162Nmを実現しています。 660cc上限の軽自動車にとって、過給機を用いたとしても得られる最大トルクはせいぜい100Nm程度ですから、その力強さたるや電気自動車ならではと言えます。 ただしあくまで商用バンとなりますので、そのトルクの扱い方にはこだわっています。というのも、2023年からヤマト運輸とタッグを組んでN-VAN e:の実証実験を行っていました。そこで得られた「電気自動車特有のガツンとくるレスポンスで荷物が崩れた」などの意見を参考に、トルク特性の最適化を図ったといいます。 つまり、余裕のトルクを扱いやすくチューニングしたと言えますから、その仕上がりは相当に期待できるでしょう。
事業者の補助金を使えば200万円切り?
今回はN-VAN e:の発表に際して、実車の写真を通して解説をお届けしました。最後に気になるN-VAN e:の価格ですが、法人向けの最廉価モデルで243万9800円から、乗用向けの最上級モデルで291万9400円からというプライスタグを掲げています。 ですが、こちらを商用利用(すなわち黒ナンバーを適用)する場合、事業者用補助金が約100万円出ます。したがって、最上級グレードの場合でも補助金を利用すれば200万円を切る価格からN-VAN e:を手にすることができます。 一方、一般使用の場合においても軽自動車の最大補助金である55万円を適用すれば、250万円を切る戦略的な価格で手にいれることができます。 この価格、ガソリンモデルと約100万円の価格差がありますので、補助金を利用すればその差はほとんど埋まる計算です。となると、このN-VAN e:の価格はかなり魅力的に映ります。 また法人向けにリース販売も行っているとのことで、事業者にとっても非常に可能性の広がる選択肢としてお勧めできる軽バンEVだと思います。 2025年には乗用車モデルとして軽EVをローンチする予定のホンダ。今後のEV戦略に向けた着実なステップを踏み出す第一歩として、N-VAN e:の登場は大きなトピックとなりそうです。 【N-VAN e: FUN 主要諸元】 ●全長×全幅×全高:3395×1475×1960mm ●ホイールベース:2520mm ●車両重量:1140kg ●パワートレーン:モーター×1 ●最高出力:47kW(64ps) ●最大トルク:162Nm(16.5kgm) ●バッテリー総電圧:358V ●バッテリー総電力量:29.6kWh ●駆動方式:FF ●WLTCモード一充電走行距離:245km ●タイヤサイズ:145/80R13 ●車両価格(税込):291万9400円
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