アプリリア、パワーアップした新型『RSV4』『トゥオーノV4』を発表。MotoGP由来のウイングも装備
11月5日、アプリリアはスーパースポーツ『RSV4』とハイパーネイキッド『Tuono V4(トゥオーノV4)』の新型モデルをイタリア・ミラノで11月7~10日に開催されたEICMA 2024(ミラノショー)で発表した。 【写真】新型『アプリリア RSV4 ファクトリー』(ダーク・クラーケン) 『RSV4』は、アプリリアのフラッグシップに位置するスーパースポーツモデルだ。2009年にRSV1000Rの後継として初代モデルが登場し、2度の排気量の引き上げを含むアップデートを重ね、今回発表された2025年モデルまで続いている。 今回発表された『RSV4』の2025年モデルでは、主にエアロダイナミクス、エンジン、電子制御に大幅な変更が加えられた。 まず目に入る部分は、フロントに装着されたウイングレットだろう。2023年モデルまでは、ヘッドライトの側面下部からソリッドなメインウイングが伸び、下へ折れるようにエンドプレートを形成。そのエンドプレートとカウルを繋ぐ2枚のサブウイングで構成された複層式ウイングを左右に装備していた。 最新モデルでは、薄いメインウイングがヘッドライト下から左右に伸び、サブウイングが上部後方からエンドプレートでメインウイングに繋がるレイアウトに変更。MotoGPで得た知見を元に開発された新しいウイングは、強力なダウンフォースを生み出す複雑な造形となっている。また、フェアリングもアップデートされ、空気抵抗の低減とウイリーの抑制を実現した。 搭載する1099cc水冷65°V型4気筒エンジンは、内径52mmの新しいスロットルボディを採用。排気システムを最適化することで3馬力の向上を果たした。最高出力は220hp/13,100rpm、最大トルクは125Nm/10,800rpmを発揮する。 電子制御では、予測精度を高めたコントロールシステムが導入され、6軸慣性ユニットや電子スロットル、コーナリングABSなどによりコントロール性能を向上し、正確なライディングを可能にしている。 RSV4の上級グレードに位置する“ファクトリー”では、ローンチコントロールやピットリミッターなどのサーキット走行専用の補助機能が備わり、コーナーごとに設定可能なオーリンズ製セミアクティブサスペンションやコーナーの内側を照らす補助ヘッドライトといったパーツも標準装備に追加される。 そして、ミラノショーで同時に発表された『トゥオーノV4』は、RSV4譲りのパフォーマンスを備えたハイパーネイキッド。最高出力はRSV4に劣るものの、スポーツ走行だけでなく、ツーリングなどでの走行を考慮した中回転域のトルクを重視したチューニングがなされているモデルだ。 2025年モデルでは、排気量を1077ccから1099ccに拡大した水冷65°V型4気筒エンジンを搭載。最高出力は180hp/11,800rpm。最大トルクは121Nm/9,600rpmを発揮する。新しいスロットルボディと排気システムをRSV4から受け継ぎつつ、中回転域重視の味付けはそのままに5馬力のパワーアップを果たした。 エクステリアも従来モデルから大きく変化し、ヘッドライトやフロントのウイングは、新型RSV4と同じものにアップデートされ、フェアリングもよりスリムな造形となった。 トゥオーノV4にも上級グレードの“ファクトリー”が用意されており、RSV4ファクトリーと同様のサーキット走行用の補助機能やパーツが標準で装備される内容となっている。 カラーバリエーションは、『RSV4』がポイズン・イエローとスティングレイ・ブルーの2色、『トゥオーノV4』がシャーク・グレーとスコーピオン・イエローの2色を用意する。上級グレードの“ファクトリー”は両車種ともに、ダーク・クラーケンの1色のみだ。 今回のミラノショーで初公開された新型『RSV4』と『トゥオーノV4』の詳細情報はまだ明かされていないため、価格や発売時期、日本に導入されるかなどについては未定だ。なお、参考として2023年モデルのメーカー希望小売価格は、『RSV4 ファクトリー1100』が339万9000円(税込)、『トゥオーノV4 ファクトリー1100』が247万5000円(税込)となっている。 [オートスポーツweb 2024年11月13日]