まもなく開幕! パリ2024パラリンピック! トヨタ自動車が、所属パラアスリートの壮行会を開催!
視覚障がい者柔道 半谷静香(はんがいしずか) 1988年7月23日生まれ 所属:トヨタループス 生まれつき網膜色素変性症という進行性の目の病気を患い、現在は光を感じる程度。兄の影響で健常者の柔道を始め、大学時代に視覚障がい者柔道と出会う。初出場のロンドンパラリンピックで7位。リオ・東京は5位。東京パラリンピックまでは、全盲と弱視が一緒のカテゴリーで戦っていたが、東京後、(J1)全盲と(J2)弱視にクラス分けされ、パリでは全盲のクラスで戦う。 【パリ2024パラリンピック 出場スケジュール予定】 ●9月3日 視覚障がい者柔道 J1(全盲)クラス Q:半谷選手の競技日程は、1日での勝負ですね A:1日で終わります。朝から夕方までなので、体力が持つように調整していきたいと思います。 Q:半谷選手も三木選手と同じく4回目のパラリンピックですが、今回のパリは、過去の大会とどこが違いますか? A:私の中で、大きく2つ違いがあります。 1つがクラス分けです。私たち視覚障がい者柔道は、これまで〈見えない選手(全盲)〉と、〈見えにくい選手(弱視)〉が一緒に競技をしていたのですが、このパリパラリンピックから、〈見えない選手〉は〈見えない選手〉だけで、一つのメダルを争う事になりました。私は、2019年から〈見えない選手〉として活動をしているので、この大会は、私にとって初めて〈見えない選手〉のメダル獲得を目指す大会になります。 もう1つは怪我。大きな怪我をして、初めての手術をして、1年がたったタイミングという事で、自分の力がどれ位出るのかな?というドキドキ感、ワクワク感を持って立つ大きな舞台という所です。この2点が私にとって、これまでの大会との大きな違いです。 Q:半谷選手は、自分の柔道を緻密に考えて遂行するのが好きだとお聞きしました。そして動作などを言葉にする事も好きだと伺いました、ここで半谷選手の柔道を説明してもらえますか A:はい。まず私の趣味は〈言語化〉です。もともとは運動が凄く苦手な所から柔道を始めたので、感覚で柔道が出来たという経験が少なくて、コーチの力を借りながら、〈言語化〉をしています。柔道の面白いところは〈力の通り道〉が整った時に相手を投げる。その感覚が大好きです。 Q:〈力の通り道〉とは? A:お互いが疲れている状態の中でも、必ずそのタイミングが来る。私の力と相手の力がぶつかっている中に〈通り道〉が出来てくるので、それをじっくり〈待つ〉。せっかちな私にとって〈待つ〉が今回の課題でもあります。掛け急がない。掛け急ぐと返されちゃう時もあるので。やっぱり掛け急がない事が大切かなと、自分の中では思っています。 Q:視覚障がい者柔道は、健常者の柔道とどんな所が違うのですか? A:視覚障がい者柔道は、最初から組み合った形で競技が始まります。健常者は、組み手争いが大事ですが、それがありません。組み合っている所から始まるので、いつ技がかかってもおかしく無い状態で試合が行われます。 競技の魅力として、すぐに決着が付くという所もあるのですが、すぐに負けてしまう可能性もあれば、永遠に終わらないパターンもある。組んでいる私とすれば、腕がパンパンになるのでいい加減にしてくれと思うのですが、ゴールデンスコア(延長戦)になれば、試合時間が長ければ長くなるほど、私に勝ち目がくると信じているので、疲れてもやれると自分では思っています。」