「精進料理元気出ないじゃん」ふるまった本格中華に住職は思いを込めて 能登半島地震で本堂全壊もお寺は住民たちのよりどころ
能登半島地震では住宅だけではく、地域にとって大切な寺や神社も大きな被害を受けました。それでも住民たちの心のより所であり続けようと、誓いを新たにする住職がいます。 【写真を見る】地震で倒壊の寺 門徒に「本格中華」をふるまう住職の温かみ 石川県輪島市門前町和田にある浄土真宗臥龍山(がりゅうざん)専徳寺(せんとくじ)。 この土地で500年以上続く由緒ある専徳寺は、元日の地震により本堂などが全壊、大切な阿弥陀如来像が倒れるなど大きな被害を受けました。 そんな中でも寺を預かる吉岡聡住職は、地域の門徒たちのために欠かさず法要を行ってきました。あの時から間もなく11か月です。 専徳寺・吉岡聡住職「続けるというよりも、途切らせてはいかんと。そういう思いの方が強いです。今まであったものを途切らせるということは、寺の役割を放棄するのと同じではないかという思いもありますし」 ■修繕した阿弥陀如来像もお披露目 報恩講で思いを新たに 23日、およそ30人の門徒が寺に集まりました。 吉岡聡住職「どうぞ、きょうは報恩講という日でございます。親鸞さんに感謝するだけでなくご先祖に感謝しながら、また自分に感謝しながら、地震と水害と本当に叩きのめされる様な日々が続きましたけど、少しでもきょうの日を境に元気になっていただければと思っている次第でございます」 修繕が完了した本尊の阿弥陀如来像も、この日に合わせお披露目です。 災害で亡くなった人たちに黙祷が捧げられた後、大切な法要としてそれぞれの地域に根付く報恩講が執り行われました。 専徳寺・吉岡聡住職「なんとか畳の上で皆さんとお勤めしたいということでさせていただいて。まだまだ正直直っていない所とか、全然良くない部分がいっぱいあるんですけど、これだけの方がお集まりいただいてお参りできたことに本当に感無量でございます」 ■「精進料理元気出ないじゃん」門徒にふるまった中華料理 支援の輪はこんなところにも… 吉岡さんと繋がりがある金沢のプロジェクトメンバーの手によって、温かい料理が運び込まれました。法要が終わった後、門徒たちに振る舞われる食事「お斎(とき)」です。
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