「精進料理元気出ないじゃん」ふるまった本格中華に住職は思いを込めて 能登半島地震で本堂全壊もお寺は住民たちのよりどころ
住職の粋な計らいで並んだのは「本格中華」でした。 専徳寺・吉岡聡住職「(なぜ中華料理を?)だって精進料理元気でないじゃん。きょうは元気になってもらうのがメインだから」 大勢の人たちがおいしい中華を囲み、団らんの場が広がります。 門徒「うまいです。おいしかったです」「良く食べました」「(お参りできて)良いことやと思う。こうしてお参りごとしてくれたら良いと思う。他の寺も潰れているところもあるし、お参りできない所もあるし、こうしてお参りごとがあれば良いことやと思います」「口に合ってちょうどの味でおいしかったです、久しぶりに友達にも会えたし」 住職の役目を一つ終え、吉岡さんにも笑みがこぼれます。 専徳寺・吉岡聡住職「(料理)なくなるまで帰らさんぞ。(笑顔が見られて)良いがいね。これが一番良い、仮設住宅におってねみんな会話も何もない。だからこれがしたかった。寺が率先して途切らさずに前を向くんやという姿を見せることで、地域が前を向くきっかけになってくれれば良いなと。皆さんもできることを一つずつまた進んで行っていただきたいなと」 地域が前を向くきっかけをこれからも作り続けたい。心の結びつきの強さが、この日見た吉岡さんと住民の笑顔にあふれていました。
北陸放送
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