【災害時の避難所生活のリアル】男性スタッフからナプキンを1枚だけ渡された…「まずは自分で備えを」
全国各地で、地震や台風などの自然災害が続き、先日「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意文)」が発表された(8月15日に「特別な注意の呼びかけ」は終了した)今。NET ViViフェムケア通信では、「災害時における生理の問題」にフォーカス。今回は、災害発生時にNPOや行政と連携し、必要な支援の調整を行うJVOADの神元幸津江さんに、被災地で発生した生理にまつわる問題や、備えておきたいものを聞きました。 【避難所生活のリアル】生理痛やPMSに悩んだときは、どうする? 防災とフェムケアの観点から、非常時に役立つ情報やアイテムを専門家の意見と共に紹介。いつ起こるかわからない“もしも”のために、今からしっかり備えていきましょう!【ViViフェムケア通信#8】
災害時の「生理用品」の必要性は、少しずつ知られるようになったけど……?
2011年の東日本大震災では、さまざまな支援物資やボランティアの申し出があったものの、連携体制が十分に取れておらず、必要としている被災者まで届かないことがありました。この経験を踏まえ、少しずつ被災地支援をめぐる体制づくりは変化しているといいます。 神元さん “生理用品”は女性に必要なものとして認識されており、自治体の災害用備蓄品にもリストアップされています。支援物資としても、近年は比較的早い段階で届く印象です ただし、仮に備蓄されていたとしても「その先」には、まだまだ課題が。たとえば、避難所の運営スタッフが男性の場合、「生理用品が欲しい」とは、なかなか言い出しにくい面も……。 神元さん 男性スタッフに生理用品が欲しいと伝えたところ、“ナプキンを1枚だけ渡された”という話を聞いたことがあります。確かに男性は生理用品の交換頻度など、使い方を具体的にイメージしにくいでしょうから、致し方ない面もあると思います。本来避難所の運営には、女性も関わるとよいのですが、状況によっては難しいのも現状です 生理は突然やってくることもあるため、自身の使い勝手のよい生理用品を、数日分備えておけると安心です
生理用ショーツを備えるべき理由とは?
生理用品に比べると、「生理用の下着」は備蓄品としても支援物資としても、まだまだ浸透していないようです。 神元さん 生理用に限らず、“下着が欲しい”というお声はよくいただきます。なぜなら、震災直後に断水すると、“汚れた下着をどうするか”という問題が発生するからです。長期洗濯ができない場合、本当にもったいない話ですが“捨てるしかない”というのが実情です 給水車やランドリーカーの支援が入ることもありますが、被害状況によっては数ヵ月洗濯ができないケースも。通常の下着はもちろん、生理時のために専用の下着は準備しておいたほうが安心です