マンション高騰の救世主!? 「50年ローン」は現実的か 京葉銀行が導入で話題に
“マンクラ”も反応
実は、京葉銀行のリリースに反応したのは、先ほどの若年夫婦のような“実需層”だけではなかった。 コロナ以前から積極的に不動産を購入し、その売却益でさらに高価なマンションに住み替えるという“マンションすごろく”で資産を築いてきた、「マンションクラスタ(マンクラ)」と呼ばれる人たちの注目も集めることとなったのだ。 要は、50年ローンで融資を受けた方が、35年ローンよりも与信(融資可能額)が増えるため、値上がり期待の高いより高額な物件を購入できるという発想である。 ちなみに、住信SBIネット銀行の融資手数料が借入金額の2.2%なのに対し、京葉銀行では24万2000円の定額であることも、“マンクラ”の目に留まった理由だという。 ただ、この点については、 「京葉銀行の50年住宅ローンは“1億円以内”で“新築に限る”という条件があるので、キャピタルゲインを狙って物件を吟味するような層のニーズには必ずしも合致しない」(先の不動産関係者) のだという。
京葉銀行「想定を上回るお問い合わせ」
最後に、50年住宅ローンの狙いや、反響について京葉銀行に聞いてみると――。 「想定を上回るお問い合わせをいただき、営業担当者からはうれしい悲鳴も上がっています。受付開始が9月2日であったため、ご契約に至るケースはまだ出ておりません」(広報担当者) とした上で、リリースの背景をこのように説明する。 「弊行では、お客さまニーズの高まりを受け、2021年7月より最長返済期間を35年から40年に変更しました。取扱開始から3年経過した現在では、返済期間35年超のご契約は、新規ご融資の約4割までに達しており、お客さまのニーズが多いという認識を持っております。そうした実績に加え、パワーカップルやおひとりさまの増加等ライフスタイルの変化や、不動産価格の上昇、高性能住宅の増加等の状況を踏まえ、今回、最長返済期間50年の住宅ローンの取り扱いを開始致しました」(同) 想定している層についても聞いた。 「ターゲット層は、20代から30代前半の若年層で、今後の給与上昇が見込まれる若い方や、毎月の返済額を抑えて趣味を充実させたい方等からのお申し込みを想定しております」(同) また、「1億円以内」という条件については、 「ご夫婦でローンを組まれる『ペアローン』、『連帯債務』等を活用することで、1億円以上のご融資も可能になっており、都内の新築マンションのご購入者でもご利用可能です」(同) ただし、利用可能なエリアは、千葉県全域と東京都・埼玉県・茨城県の県境の地域で、東京都内では、葛飾区・江戸川区・江東区の一部が対象とのこと。また、条件によっては金利の上乗せや所定の保証料が必要となる。5年ルールや125%ルールは適用される。 先の夫婦も、「50年ローン」を選択肢に入れるのだろうか。無事にマイホームを手に入れられるよう祈りたい。 デイリー新潮編集部
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