大学3年の娘が「奨学金」を継続しませんでした。不足分はアルバイトで補うようですが、やっていけますか?仕送りを増やした方がよいでしょうか?
大学の授業料や生活費の負担を軽減するために、奨学金を受給する人は全体の半数近くに及びますが、卒業後の返済が厳しくなることを懸念している学生もいるようです。なかには、奨学金継続を希望せずに、不足分はアルバイトで補うことにする学生も。親としては子どもがアルバイトをすることで学業に支障が出ないか心配になるかもしれません。 そこで今回は、奨学金の平均額やそれを補うために、月に何時間くらいアルバイトをすればよいかについて調べてみました。平均的な仕送り額や、生活費を節約するポイントもご紹介しますので参考にしてみてください。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
奨学金継続を希望しないことにした娘……毎月の不足分はいくらになる?
独立行政法人日本学生支援機構の「令和4年度学生生活調査結果」によると、学生の収入における奨学金の金額(合計に占める割合)は以下の通りです。 ・大学学部(昼間部):40万7600円(20.7%) ・短期大学(昼間部):45万3800円(28.0%) ・修士課程:42万9500円(22.3%) ・博士課程:112万2300円(36.2%) ・専門職学位課程:45万1800円(15.7%) 大学学部(昼間部)に通っている場合の年間の平均奨学金は40万7600円で、月平均にすると約3万4000円です。奨学金継続を希望しないことにすると、毎月の不足分はアルバイトや仕送りの増額など、何らかの方法で補う必要が生じるでしょう。
不足分を補うには月に何時間くらいアルバイトをすればよい?
同調査によると、大学学部(昼間部)に通う学生のアルバイト収入平均額は年間で37万5900円、月平均で3万1325円です。奨学金とほぼ同額のため、奨学金と仕送りのみで生活している場合は、子どもがアルバイトをして生活費の不足分を補うことも検討できるでしょう。 アルバイトで奨学金の不足分を補うためには、アルバイトにどれくらいの時間を費やす必要があるかについて調べてみました。時給にもよりますが、厚生労働省が公表している全国加重平均の最低賃金で計算すると以下の通りです。 ・3万4000円÷1004円=約33.9時間 毎月34時間とすると、週に8時間半をアルバイトに費やす必要があります。週末の授業がない日にまとめて働くか、夕方から夜の時間帯に数日に分けてアルバイトができるでしょう。「テスト期間中はシフトを調整してもらえるか」などを確認して、学業に支障が出ないようにすることも大切です。 子どもがすでにアルバイトをしている場合は、働く日数や時間を増やす必要がある点も考えなければなりません。例えば、現時点でアルバイトで年間37万円ほどを稼いでいる場合は、今までの倍ほど働く必要があります。学業との両立ができるかを考えて、慎重な検討が求められます。