国学院大・次世代エース候補は2年連続4区志望…箱根路初V&地元で区間賞に照準「父を超えたい」
「4区は文字通り、僕の庭です」。そう豪語してはばからないのが、来年1月2、3日の第101回箱根駅伝で初優勝を狙う国学院大の辻原輝(ひかる)(2年)だ。前回大会では地元の神奈川県二宮町を通過する4区を走る夢をかなえ、今回も同区を志望。今の自分と同じ2年生で神奈川大の優勝メンバーとなった父・幸生さんに追いつき、追い越すため、チームを頂点に導く快走を誓う。(運動部 西口大地) 第101回箱根駅伝エントリー選手一覧…1万mランキングもチェック
中学時代から目標は「箱根4区」
実家から4区のコースは目と鼻の先で、「(箱根駅伝は)赤ちゃんの時から親にだっこされて、沿道に行っていた。中学校への通学路でもあり、あそこで走ってきたというより、本当に生きてきた」と言い切るほど、強烈な愛着を持つ。名前の「輝」は、母・美紀さんの「大学1年生の年に迎える第100回大会で、輝いてほしい」という願いを込めてつけられたという。
地元の二宮中で陸上を始めた頃から、目標は「箱根の4区を走る」の一点張り。中高時代は目立った実績を残せなかったが、無名選手をトップレベルに引き上げる国学院大の育成力にひかれ、進路を決めた。1年目から5000メートル13分台、ハーフマラソン1時間2分台をマークする飛躍を遂げ、悲願だった箱根4区出走のチャンスをつかみ取った。
慣れ親しんだコースに駆け出すと、沿道には家族や友人ら地元の見知った顔が次々と見つかり、「本当にスタートからゴールまで、ずっと名前が呼ばれていた」。圧巻の声援に背中を押され、区間4位の好走で順位を一つ押し上げ、5位でタスキリレー。チームの総合5位に大きく貢献した。
熟知したコースで想定外
ところが、本人の達成感は少なめだった。熟知したコースのはずが、「大してアップダウンはないと思っていたのに、体がきつい状態で迎えるラスト3キロの上りが結構厳しかった」と、想像とのギャップを痛感。「ここをこうすればいいんじゃないかというのが明確になり、より次も走りたくなった」と、すぐさま1年後の再挑戦を見据えた。