パナソニックHD、生成AIの米社アンソロピックと戦略提携…オープンAIのライバル企業
【ラスベガス(米ネバダ州)=坂下結子】パナソニックホールディングス(HD)は7日、生成AI(人工知能)を手がける米国企業のアンソロピックと戦略提携を結んだと発表した。製品やサービスに活用する。パナソニックHDは、売上高全体に占めるAI関連事業の割合を2035年までに現在の10%弱から30%まで高める。
7日にラスベガスで開幕した世界最大級のテクノロジー展示会「CES」の基調講演で、パナソニックHDの楠見雄規社長が明らかにした。講演で楠見社長は「(AI事業の強化に向けた)変革はパナソニックの全てを変えるだろう」と強調した。
アンソロピックは米アマゾン・ドット・コムなどが出資する新興企業で、対話型の生成AI「チャットGPT」を開発した米オープンAIのライバル企業として知られる。
パナソニックHDは、第1弾として、アンソロピックの技術を活用し、一般の家庭向けに生活や日常の困り事を支援するアプリサービス「Umi(ウミ)」を米国で25年から開始する。例えば、週末の過ごし方や家族の予定調整などを提案してくれる。今後、日本での展開も視野に入れる。
パナソニックHDがCESで基調講演を務めるのは12年ぶり。省エネ性能が高い住宅用全館空調システムを25年度から米国で展開する計画や、水素で発電する燃料電池を活用し、脱炭素に向けた取り組みを強化する方針も表明した。