料理研究家・コウケンテツが沖縄で見つけた「アグー豚」の魅力。お祝いのご馳走「チイリチャー」とは?
シンプルで美味しい家庭料理が人気の料理研究家・コウケンテツさん。ユーチューブ公式チャンネルは登録者数200万人を突破し、3児の父として食育を広げる活動にも力を入れています。そんなコウさんが、NHK番組『コウケンテツの日本100年ゴハン紀行』で沖縄県の名護市を訪れ、土地の魅力や美味しい食材を探索した様子を紹介します。 【写真】お正月や祝いごとのご馳走、沖縄料理の「チイリチャー」 * * * * * * * ◆親子で育てる「アグー豚」 沖縄の豚といえば「アグー豚」について語らなければなりません。アグー豚は黒毛で足が短く、お腹が出ていて胴が短いのが特徴です。柔らかな肉と甘みのある脂身が美味しいと評判ですが、一般的な豚に比べて発育が遅く、生まれる数もおよそ半分。 そのため食肉の量産が難しく、手掛ける人は決して多くありません。そのアグー豚を育ててきたのが沖縄県北部のやんばるに住む我那覇明さん。現在は息子の崇さんがあとを継いでいます。我那覇さんとコウさんは15年ぶりの再会となりました。 さっそく豚舎に案内してもらったコウさん。アグー豚の背中を撫でてみました。 「筋肉もあるけれど脂肪がついていて、いい弾力ですね」と、なんだか嬉しそうです。
◆アグー豚への愛情と誇り アグー豚は600年の伝統を持つといわれていますが、成長が早い別の品種との交配が進んだことや、太平洋戦争の影響で一時は絶滅の危機に陥りました。その後、アグー本来の姿に戻す研究が重ねられ、いまでは純血に近い300頭ほどが登録され、新たな命が生まれています。 「いい肉を作るには、いい餌を与えないといけない。できるだけ県内で取れるものを使っています。肉の味も変わるしね」という明さんが与える餌は、与那国島の石灰サンゴとサトウキビの糖蜜。それに地元のビール酵母を混ぜて与えているそうです。アグー豚をずっと育ててきた誇りが感じられます。 息子の崇さんも「アグー豚は沖縄の財産なので、100年先も200年先も続けていけるように守り育てていきたい」と胸を張りました。
【関連記事】
- 料理研究家のコウケンテツが見つけた、沖縄・伊良部島の魅力。サンゴ礁での伝統漁業「アギヤー漁」とは?獲れたグルクンで作る唐揚げは、みそ汁に入れても絶品!
- チャンネル登録者数180万人の料理研究家・コウケンテツが体験した千葉県・勝浦の魅力。川津漁港で親子船に乗ってキンメダイを釣り、朝市で新鮮な食材を堪能!
- コウケンテツが見つけたホップの産地、岩手県・遠野の魅力。バケツに鍋をかぶせる独特スタイルのジンギスカンで名物「ラム肉」を!
- コウケンテツが岩手・三陸鉄道の旅で味わった極上品の朝採れ生ウニ。漁師飯「ウニのみそ卵とじ」はアツアツのごはんとの相性抜群!
- 「料理はすべて手作り、家族で囲む」食卓神話のプレッシャー。家庭のストレスを減らし、定年夫とも家事を分担する方法とは? コウケンテツ×酒井順子