緊急避妊薬に「後回し」の声なぜ?ED治療薬が“処方箋なし”前進に避妊薬界隈から不満続出「不安なく性生活を楽しめるのは一緒では」
男性の勃起不全(ED)の治療薬をめぐって、医師からの処方箋なしに購入できるようにした際の効果について、厚生労働省が意見募集を始めた。薬局やドラッグストアで購入可能になれば、人に言えず悩んでいた男性に朗報となるが、「なぜ緊急避妊薬よりも先なのか」との批判も出ている。 【映像】72時間以内なら80%以上で妊娠回避 緊急避妊薬の効果・用法 緊急避妊薬は処方箋が必要で、現在のところ一部薬局での試験販売にとどまっている。厚労省は「ED治療薬の市販化の議論を優先するわけではない」としているが、なぜ「緊急避妊薬は後回し」に感じられるのか。『ABEMA Prime』では、Xで不満を訴えた助産師とともに考えた。
■ED治療薬の市販化、なぜ必要?
厚労省は11月25日から12月24日にかけて、ED治療薬「タダラフィル」など3成分について処方箋なしで販売した際の効用・効果、ニーズ等の意見募集を行っている。今後、意見をもとに検討会議で議論される予定だ。 ED治療薬の市販化を検討する理由として、厚労省は、社会に「EDであることは男性として不完全・障害・恥」という認知があり、患者の自尊心が大きく低下している点や、パートナーとの関係性の悪化につながるリスクを挙げる。また、EDは受診への心理的ハードルが高く、未治療か個人輸入サイトなどでの購入も多いことから、偽造薬などによる健康被害リスクも指摘する。 ED治療薬としては、「バイアグラ」などのシルデナフィルが知られているが、なぜタダラフィルが検討されているのか。新宿ウエストクリニックの入江武志医師は、検討会議で取り上げられる理由はわからないとしつつ、ED治療薬の中では副作用が少ないと説明する。バイアグラには頭痛や視覚異常などの副作用がある。タダラフィルにも副作用はあるが、網膜に対する影響はバイアグラの1割以下という研究もあるという。 「インパルス」堤下敦は、「EDの後輩に聞くと、やはり病院に行くのは恥ずかしいらしいが、周囲もED患者ばかりで、逆に共感できるという。ただ、医師からいろんな事を聞かれて、見られるなど、男性としては恥ずかしいと言っていた」と語る。 SBテクノロジーに勤め、警視庁サイバーセキュリティアドバイザーでもある辻伸弘氏は、「音声だけでいけるオンライン治療もあり、恥ずかしさは結構クリアになっている」としつつ、「なぜ『女性だけが優先されていない』と感じるか疑問だ」と持論を述べた。