「勿体ない」と驚きも 覚醒間近だった“有望株”への戦力外 大胆な決断から浮かび上がる阪神の強化方針
若き選手たちに目を向ける熱心な“虎党”たちにとっては、予想外の人選だったのかもしれない。阪神は10月2日に加治屋蓮、高浜祐仁、岩田将貴、遠藤成、片山雄哉と来季の契約を結ばないと発表した。 【画像】押さえておきたい「2024ドラフトの目玉」たちを厳選! 注目選手のプレー写真&寸評を一挙紹介 いわゆる“戦力外通告”は年齢や成績不振を原因に告げられるケースが大半を占める。しかし、確かな実績を残しながら宣告される場合もある。今回の阪神の発表はまさにそれである。 とりわけ小さくない反響を呼んだのは、高卒5年目の遠藤の戦力外だ。 名門の東海大相模高校から20年にドラフト4位で入団した遠藤。当初は粗削りな感は否めなかったが、徐々にポテンシャルに磨きがかかっていた。今季は1軍未出場ながら、2軍では126試合に出場して打率.262、OPS.707をマーク。さらにウエスタンリーグトップの出塁率.392と30盗塁を残し、マルチな才能を見せていた。 また、今季の遠藤は入団時に主戦場とした遊撃手としての守備機会はなかったが、二塁手で82試合(守備率.975)、三塁手として24試合(同.972)、一塁手として40試合(同1.000)に出場。どのポジションでもまずまずの守備を見せており、技術面で極端に悪いわけではない。 今季の阪神は1軍で二遊間を守った中野拓夢と木浪聖也が揃って低調なパフォーマンスに終始。ゆえに2軍でアピールを続けた遠藤に対するファンの期待は大きく、戦力外通告にX上では「勿体ない」「戦力外が酷すぎる」と言った声が噴出した。 ただ、遠藤に対する非情な選択からは阪神の強化方針も浮かび上がる。というのも、2軍には髙寺望夢、戸井零士、今季新人の百崎蒼生、山田脩也という高卒の若手内野手がズラリを居並んでいる。来季に新体制発足が囁かれる球団としては、1軍定着が見えてきている小幡竜平を含めて遊撃手もできる若手を中心に組織を強化する意向なのだろう。 チーム内競争が激化する中であぶれてしまった遠藤。そのポテンシャルは申し分ないだけに、他球団が関心を示す可能性は高そうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]