「越境攻撃」成功もゼレンスキー大統領は「はしゃぎすぎ」と専門家…アメリカ、フランス、ドイツがウクライナの「沈黙」が示す意味
不安な東欧情勢
それこそ歴史を振り返れば、フランスのナポレオンも、ドイツのヒトラーも、共にロシアに攻め込み、最初は連戦連勝だったにもかかわらず、最後は敗北を喫した。 「フランスとドイツは自国の歴史を踏まえ、“ロシアに攻め込む”ことには今でも神経質だと思います。この2カ国にとって最悪のシナリオは、ウクライナの越境攻撃でロシアの友好国であるベラルーシでも軍の動きが活発化。国境を接するポーランドとの緊張感が高まるなど、東欧情勢が不安定なものになる──というものでしょう。アメリカも含め、彼らの本音は『東部戦線でロシアとウクライナが一進一退の攻防を繰り広げているほうが、まだマシだった』でしょう。かと言って、ウクライナに自重を要請すればロシアを後押しすることにもつながります。米仏独の3カ国は冷や汗をかきながら、どうウクライナに対応するか悩んでいるのではないでしょうか」(同・佐瀬氏) デイリー新潮編集部
新潮社