37歳・織田信成は涙→涙→笑顔の有終4位 波乱万丈のスケート人生「あと20歳、若返れたら…」【全日本フィギュア】
波乱万丈のスケート人生「全然平坦な道ではなくて…」
波乱万丈のスケート人生。08年の全日本を制し、10年バンクーバー五輪に出場。13年に一度は競技から離れた。それでも22年、9年間の時を経て現役復帰。「死ぬ気で努力したら、今のトップの選手たちとどこまで戦えるか。人間ってどこに限界があるか知りたかった」。37歳になった今も4回転ジャンプを跳べるが、「膝と腰がもたない」と今季限りでの引退を表明している。 「あと20歳、若返れたらいいのにな……とか思ったりはしましたけど、もう今年は潔く引退にしたい」と現役続行はないと強調。「自分が現役復帰していなかったら『子どもにもっとおもちゃとか買ってあげられたのにな』とか思う。そういう意味でも家族が凄く支えてくれた」。あまり自身のスケートを見たことがないという家族が、大会中に現地で送ってくれたエールが力になった。 「自分で言うのもなんですが、全然平坦な道ではなくて。でも、平坦じゃなかったからこそ、坂を駆け上がる力をつけることができましたし、平坦じゃなかったからこそ上に上がっていく苦しみも味わうことができた」 岡山で行われる「国スポ」が現役最終戦。「滑るのも大好きなので、アイスショーに呼んでいただける機会があればアイスショーも滑りたい」と今後もリンクには立ち続ける意志がある。「日本の景気的にもなかなかフィギュアスケートを始めるのが大変。そういう意味でもスケートを知らない方たちにスケートの楽しさを伝えられるような、そういう活動もできたら」とも話した。 現役復帰しなければ分からなかった苦しさも、楽しさも味わえた。「いろんな経験ができたすごく豊かなスケート人生だったと思います」。笑顔でリンクを離れたが、ミックスゾーンでは目に涙をためる場面も。涙もろい織田信成らしさを節々に残し、最後の大舞台を去る。
THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi