【インタビュー】ロッテ・大谷輝龍 力強い真っすぐで攻める「真っすぐの力で抑え、フォークで空振りを取り、三振を奪う投手が理想です」
最速159キロという触れ込みでNPBの門をたたいたドラフト2位ルーキー。春季キャンプのころは期待がふくらむ報道が多かったが、開幕一軍を外れ、今のところはファームで雌伏の時を過ごしている。 【選手データ】大谷輝龍 プロフィール・通算成績・試合速報
【ファームから熱き魂で挑む! 未来を拓くキラ星たち】 自主トレ、春季キャンプ、オープン戦を経てイースタン開幕から1カ月以上が経過したルーキーイヤー。何もかもが初めての経験の中で、徐々に実戦経験を積んできている。入団当初は近い将来のクローザー候補と思われたが、最近はイースタンの試合で3イニングを投げるケースが続くなど、使われ方に変化が出てきたようだ。 ──ここまでのシーズン成績を見ると、防御率が(取材時点で)7.20という数字なのですが、これは6失点を喫した試合(3月31日の日本ハム戦=鎌ケ谷)があったからで、その1試合を除けば防御率2.25です。 大谷 その試合、調子は悪くなかったんです。ただ、独立リーグ時代も含め、リリーフで複数イニングを投げることに慣れていなかったんですよ。 ──いわゆる「イニングまたぎ」ですね。 大谷 1イニング目は普通に抑えたのですが、2イニング目に入ったときに初球から「あれ?」という違和感があり、いつもの自分の感覚に戻れないまま、修正できずに四球、四球、本塁打で大量失点みたいな。技術面、体力面ではなく、メンタル面の問題でしたね。 ──その後は2試合連続で3イニング投げています。これは将来のクローザーやセットアッパーではなく、ロングリリーフの適性を試されているのでしょうか。 大谷 先発転向も視野にあるのかもしれませんが、そこは(首脳陣と)詳しい話をしていないので分からないです。複数イニング行くぞ、とは言われていました。僕の中ではそういう立場もあるぞと考え、できるところを見せるだけですね。 ──ファームとは言え、実際に他球団の打者を相手に投げて、NPBの打者は違うなと思ったことはありますか。 大谷 うーん、まず、真っすぐに強いですね。あと、低めの変化球を簡単には振ってきません。絶妙なコースを突いても見逃されてボールになり、カウントを悪くしてしまうことがあります。 ──打者を抑えるための自分なりの課題は、現時点ではどのようなことを考えていますか。 大谷 調子の良し悪しを大きくしないことが大事かなと。調子が悪い日は打たれるじゃないですか。それでも、なるべく調子が良い日に近付ける投球をしたいんです。好不調の波の幅を狭くしたい。そうなれば自分の投球スタイルが確立され、相手打者もこの投手はこうだと分かりますよね。そのほうが、自分としても投げやすくなるんじゃないかと思います。 ──では、大谷投手の考えるご自身の投球スタイルは、どういう形が理想ですか。 大谷 とりあえず、真っすぐで相手打者を抑えることです。真っすぐの力で抑えるのが基本で、その上でフォークなり、空振りの取れる変化球も使う。最終的には三振を奪う投手。それが理想形かなと思いますね。 ──プロに入る前は、プロに入ったら自分はこういうふうにと想像していたことがあったと思うのですが、実際にプロ生活が始まって、ちょっと現実は違ったなという部分はありましたか。 大谷 僕はリリーフだったり、後ろのほうだったりで投げるつもりで入ってきたので、最近は3イニング投げることもあって、そこは思っていたところと違うなと思いました。 ──逆に、想像どおりだったことは。 大谷 もともと真っすぐが自分の持ち味と思っていて、プロ入り前にスカウトの方からも「真っすぐは絶対に通用するから」と言われていました。実際に試合でプロの打者と対戦してみて、いい球が行けば本当に通用しているので、そこは自信を持っていいのかもしれません。 ──3月のオープン戦の時期までは一軍に帯同しましたが、開幕一軍には残れなかった。そこはどうとらえていますか。 大谷 自分の実力不足もありますし、ファームで過ごす時間は良い経験になっています。いきなり一軍で結果を残すプレッシャーの中でやるよりも、ファームで段階的に実力を上げていくほうが、今の自分に合っていると思います。 ──現時点で、今季の目標をどこに置いていますか。 大谷 今季中の一軍昇格です。 ──そのために、今の課題はなんですか。 大谷 僕は真っすぐが強い投手だと思われたいので、真っすぐをもっとアピールしたい。そのためにも、真っすぐの力を上げていきたいですね。