社会人で戦力外経験あり

──プロ入り前の経歴についても教えてください。 大谷　小松大谷高では最初は外野手で、投手は1年の秋からです。そのころから将来はプロになりたいと思うようになりました。甲子園には出ていません。3年後にプロに行ければいいなというつもりで社会人のJFE東日本に入社しましたが、2年が過ぎたところで戦力外になりました。会社に残る選択肢もあったのですが野球を続けたかったので、伏木海陸運送に移籍しました。 ──そこからプロを目指そうと。 大谷　そこにも2年いたのですが、会社の仕事もバリバリやったので、それが大変だったんですよ。荷物を積み込む力仕事が多くて、体力的な負担が大きかったんです。それをやってから野球の練習だったり、野球の練習をしてからそれをやったり……。さすがにこれではプロに行けないなと思いました。だから独立リーグで1年間、本気で野球に集中しようと日本海オセアンリーグの富山GRNサンダーバーズに入りました。 ──そこで頭角を現したわけですね。 大谷　野球だけできる環境が良かったんです。社会人と違って大会の一発勝負ではないですし、全部の選手に平等にチャンスを与えてもらいました。 ──なるほど。それでNPBのスカウトに評価され、ここにいると。夢を叶えるために自分の居場所を探して、夢が叶って良かったですね。 大谷　はい。でも、これで終わりじゃないので、これからさらに実力を上げ、NPBの一軍で活躍できる選手にならないといけないですからね。

高校のあとは社会人2チームで2年ずつ、独立リーグで1年を過ごした経歴でロッテ入りした

──数年後、こういう選手になりたいというビジョンを、どのように描いていますか。 大谷　今は複数イニングを投げさせてもらっているので、いずれは先発したいですね。先発ローテーション投手になることを目標としています。ローテーション投手としてシーズンの最初から終わりまで過ごしたいです。 ──起用法はチーム方針や首脳陣の考えもあるでしょうが、自身はリリーフより先発志向が強いのですか。 大谷　いや、そういうわけではなく、どちらでも(笑)。 ──試合に出られれば(笑)。確かに、ここをやれと言われたところをやるのがプロ野球選手ですよね。 大谷　言われれば、何でもやります。今は、どこのポジションをやれと言われてもいいように、ファームで準備しているところです。