ザックJ コートジボワールに勝つための3つの秘策
「もし初戦のカメルーン戦に負けていたら、3戦全敗だったと思う」。前回、南アフリカW杯に出場したある代表選手の証言だ。親善試合で4連敗して、W杯の開幕を迎えた岡田ジャパンは、本田のゴールでカメルーンを下すと、チームが瞬く間に結束。勢いに乗り、デンマークとの3戦目にも勝利し、2勝1敗の成績で決勝トーナメントに進出した。 だが、もし、初戦に敗れていたら、チームが結束することも、悪い流れを断ち切ることもできず、あっけなく大会を去っていた可能性が高いと言うのだ。それだけ初戦の勝敗は大きい。もちろん、初戦に勝っても勝ち点3が4や5になるわけではない。だが、初戦の勝利で得るものは多い。それは自信や勢い、その後の戦いにおける余裕だ。
振り返ると、前回大会で初戦に敗れてもグループリーグ突破を果たしたのは、優勝したスペインしかいない。他の初戦を落としたチームすべて、挽回できなかった。2戦目も落とせば、グループリーグ敗退が決める。そのため2戦目は必勝体制で臨まなければならないという心理が働けば、得点を狙って必要以上に前掛かりになり、相手にカウンターの機会を与える。タイスコアやビハインドでゲームが進めば、焦りから思わぬミスを招きかねない。 とりわけ、日本がいるグループCは、実力が最も伯仲するグループ。どこが勝ち上がってもおかしくないだけに、初戦での躓きは、取り返しの付かないビハインドになりかねない。絶大げさではなく、初戦こそすべてと言えるのだ。その初戦、日本が戦うのが、ドログバやヤヤ・トゥーレ、ジェルビーニョら攻撃陣に世界屈指のタレントを揃えたコートジボワールだ。“エレフェンツ”の愛称を持つ、このアフリカの雄を攻略するには、どうすればいいのか。初戦で勝利を飾るためのポイントを3つに絞った。 ■ポイント1 アグレッシブな試合への入り方 W杯の初戦である。プレッシャーは相当なものだろう。しかも、日本は前半に先制点を許す展開が続いているだけに、「相手の出方を伺いながら前半を戦う」というゲームプランも考えられる。02年の日韓W杯の初戦、ベルギー戦のように。