ザックJ コートジボワールに勝つための3つの秘策
だが、コートジボワールが仕掛けてきた場合、果たして耐えられるだろうか。思い出されるのは、6月7日のザンビア戦だ。決して様子を見たわけではなかったが、思い掛けないザンビアのラッシュと技術の高さに圧倒され、30分間、主導権を握られたうえに2点を失った。直近のゲームで失態を演じたのは大きい。チーム内で「同じ轍は踏むまい」という意識が高まっているはずだからだ。しかも今大会、攻撃的な日本のスタイルで戦い抜くという悲願もある以上、序盤からアグレッシブに仕掛け、コートジボワールの出鼻を挫くべきだろう。遠藤は言う。「前半は0-0でもいいというプランはない。基本的に先に点を取って、リードした形で常にゲームを進めたいと思っている」。 開催国のブラジルでさえ、開幕戦ではクロアチアのラッシュに押され、主導権を奪われた。日本も臆せず、ハイプレスで相手のディフェンスラインに圧力をかけてミスを誘い、相手の激しいチャージに屈せずにショートパスを繋いで、ゲームを進めたい。 ■ポイント2 ヤヤ・トゥーレ、ドログバ封じの鍵を握る山口 コートジボワールは4-2-3-1の布陣を採用するが、1トップのドログバトップ下のヤヤ・トゥーレ、ウイングのジェルビーニョとカルーは、流動的にポジションを取ってくるという。カルーは予選で最も多くのゴールを決め、ドログバは36歳になり、得点力こそ陰りが見えているが、ポストプレーなど、周りを生かす動きは円熟味が増してきている。 ローマで輝きを放つジェルビーニョは高速ドリブルが武器で、対戦経験のある長友は、「走るスピードとドリブルスピードが変わらないし、深い切り返しもある。スペースにドリブルで切れ込んでいくので、スペースを与えないのが大切」と警戒心を高める。彼ら3人には、なるべく数的優位で、チャレンジ&カバーの体制を築くことが重要になる。だが、厄介なのが、ヤヤ・トゥーレである。彼ら3人にパスを供給し、仕掛けてくる間に、自らゴール前に侵入し、また精度の高いミドルシュートも圧巻だ。