ロシア西部の北朝鮮兵、週末の攻撃で大きな損耗か ウクライナ発表
(CNN) ウクライナは16日、ロシア軍と共闘する北朝鮮兵が先週末、ロシア西部クルスク州での戦闘で大きな損失を被ったと明らかにした。 ウクライナ国防情報当局によると、先月到着した北朝鮮の部隊は週末、三つの村の付近で実施された攻撃に参加した。 国境に近い3村付近で発生した衝突で北朝鮮兵およそ30人が死傷し、3人が行方不明になったという。 米国防総省のライダー報道官は同日、北朝鮮兵がクルスク州で損耗を被ったことを確認した。 ライダー氏は「北朝鮮兵がクルスク州でロシアと共に、ロシア兵に混じって戦闘に関与したものと見ている」と説明。「彼らが損耗を被ったこと、死傷者を出したことを示唆する情報がある」とも述べた。 ライダー氏は死傷者の数については具体的に述べなかったものの、北朝鮮兵はロシア人部隊に統合されており、主に「歩兵の役割」で投入されているとの見解を示した。ロシア兵との共闘を本格的に開始したのは1週間あまり前だという。 「再三述べてきたように、これらの部隊が能動的に戦闘作戦に関与していることを踏まえると、彼らはウクライナにとって正当な軍事目標に当たる」としている。 これとは別に、前線に展開するウクライナのドローン(無人機)部隊は15日、北朝鮮兵20人超の遺体が凍てつく野原に並べられている様子とされる動画を投稿した。動画の質が十分ではなく、遺体の身元を確認することはできなかった。 CNNが位置情報を確認した別のドローン動画には、週末に退却しているとみられる兵士らの姿が映っている。一部の死傷者を橇(そり)に乗せて引っ張っている様子だが、それがロシア兵なのか北朝鮮兵なのかは不明だ。 あるウクライナの部隊は北朝鮮兵について、「70年前と同じ戦術」を使って歩兵攻撃を仕掛けたと指摘した。歩兵による人海戦術が使われた朝鮮戦争に言及したものとみられる。 ウクライナのゼレンスキー大統領は先月、クルスク州に派遣された北朝鮮兵が戦闘に参加したと述べた上で、衝突による死者が出たことを明らかにしていた。 クルスク州では12月初め以降、北朝鮮兵が主に歩兵として従来よりも目立つ役割を果たしている様子だ。 ウクライナの推計では、約1万2000人の北朝鮮兵がこの地域に展開しており、ウクライナによる8月の攻勢で奪われた地域の奪還を支援しているとみられる。米国防総省も、1万2000人ほどの北朝鮮兵がロシア国内にいるとの見解を示している。