「頭が良くて能力もある…でも出世で男性に勝てない」→元マッキンゼー女性のアドバイスがなるほど納得だった!
働く母親にとって仕事と家庭の両立は深刻な課題だ。女性が仕事も家庭も手に入れることは不可能なのか?元マッキンゼーの敏腕女社長が、ワーキングマザーの厳しい現実を解説する。※本稿は、リサ・サン著、鹿田昌美訳『なめられない品格 誰からも信頼されるようになる8つの力』(飛鳥新社)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 仕事とプライベートの両立は 女性にとって困難がともなう 人生のあらゆる側面が順調であるべきという幻想を持っていませんか?女性は、社会または自らが課した、さまざまな期待や義務に応えるという闘いに取り組んできましたが、ある時点で完全な矛盾が生じることになりました。 脚本家のションダ・ライムズは2014年のダートマス大学の卒業式のスピーチで、こう認めました。 「私が人生のある分野で成功しているのを見かけたとしたら、ほぼ間違いなく、それは私が人生の別の分野で失敗していることを意味します」 「理想的な同僚であり、パートナーであり、友人であり、家族の一員であること」を一度に手に入れることと成功とを同一視するのは、女性のどの人生の段階においても難しいことです。 働く母親は、マザーフッド・ペナルティ(母親になることが女性の収入とキャリア上の地位にマイナスの影響を与えること)を乗り越える必要がある一方で、家事に身を捧げるエネルギーを絞り出す必要もあります。 独身の女性は、とりわけ大部分の時間を仕事に費やしている場合は、恋人探しに不安を感じるかもしれません。 ● 家事と育児を頑張るワーキングマザーよ 「それ、体にムチ打ってまでやること?」 子育てに専念する女性は、専業の親になるという選択を正当化するために全力を注ぎ、完璧にこなす努力をしながらも、過小評価を感じて疲れ果てているかもしれません。
また、子どもを持つか持たないかの決断は、諸刃の剣です。親になることを受け入れない決断は、後悔したり、批判を受けたりするかもしれません。受け入れた場合は、地位や収入にペナルティが課せられます。 このように、多くの場合、競合する優先事項や多大な要求の数々にエネルギーを吸い取られてしまい、コンフォートゾーン(自分にとって快適で落ち着く環境)に安住するほうが楽になってしまうのです。女性は、こうした多くの(時には感謝もされない)役割の期待に応えるプレッシャーを感じています。 2018年の国連報告書によると、「女性は男性の3倍近くの家事関連の労働(育児、高齢者のケア、料理、洗濯、送迎)を、通常は無報酬で担っている」のです。この負担が、日常の小さな動揺や、家族の病気や自身の健康問題といった困りごとによって増幅することもあります。 プレッシャーのなか、誰かを失望させてしまった、複数の役割の期待に応えられないなどと感じると、私たちは罪悪感にさいなまれます。執筆のために調査を行ったとき、あるワーキングマザーの言葉が私の心に刺さりました。 「親といえば母親を指すという根深い伝統を打ち破るのは難しいです。学校は母親にしか電話をしてきません。子どもたちを愛していますが、自分以外のあらゆる人と物事が優先されているのを感じます。私が職場で頑張っているときは、私は夕食作りに失敗しているのです」