突然変わった進路…弟は「嫌と思うかな」 兄の告白に「いいね」の返事、二人三脚で掴んだ選手権
愛工大名電高校の攻守の要、蒲地ツインズ陽汰&壮汰の歩み
5年ぶり2度目の高校サッカー選手権出場を果たした愛工大名電(愛知)には、攻守の要となっているツインズがいる。 【写真】「かわいすぎる」と話題 天才17歳と顔を寄せ合いラブラブの美人彼女 兄・蒲地陽汰は冷静沈着なCB(センターバック)で球際の強さとボール奪取能力が高く、ディフェンスリーダーとしてだけではなく、キャプテンとしてチームを牽引する。弟・壮汰はドリブルを武器として、左サイドから積極果敢に仕掛けてチャンスを作り出す攻撃の要だ。 「ずっと一緒にやってきたので、お互いのことはよく認識しています。性格は真逆で壮汰がポジティブな面もありますし、自由にやっているぶん、僕も壮汰が羽目を外さないように見ているのも僕が客観的な視野を持つのにプラスになっています」 明るくて活発な壮汰に、物事を俯瞰で見て一歩引くタイプの陽汰。性格は違えど、お互いの良さを理解しているからこそ、ピッチ内外でチームにポジティブな行動を取ることができている。実は彼らは、高校は別々でプレーする予定だった。弟の壮汰はこう振り返る。 「僕らは双子なので、負担を考えると県外ではなくて、県内の選択肢で迷っていました。中には特待生としての誘いもあったのですが、名電は特待こそないけど、練習参加をした時にチームの雰囲気が良くて、上下関係はないけど、練習はすごくシビアでサッカーに真剣に打ち込んでいるし、全国を本気で目指している。ここならサッカーを一生懸命かつ楽しくできるなと思って決めました。決めた頃には陽汰は別の高校を希望していて、『高校で対戦するのが楽しみだな』と思っていました」 だが、運命なのか陽汰が希望していた高校の制度が変わったことで、陽汰の高校選びは振り出して戻ってしまった。 「どうしようと思ったのですが、壮汰が名電に行くことは知っていたので練習参加をしてみたら、練習の雰囲気が良かったし、なにより宮口典久監督が自分のコーチングを褒めてくれたんです。それはなかなか認められてこなかったので、そこを評価してもらえたのが嬉しくて、名電に行くことを決めました」 自身の決意を壮汰に伝えると、弟は「あ、来るの? いいね」と笑顔で返してくれたと言う。 「僕の中では勝手に『2人で名電を強くしたい』と思っていたのですが、実際に何て反応をするのかな、もしかしたら嫌と思うのかなとちょっと気にしていたんです。でも、壮汰らしいあっけらかんとした反応をしてくれたので嬉しかったですし、一緒にやりたいという思いが強くなりました」 まさに2人の性格が如実に出たエピソードだった。ポジティブシンキングな壮汰は、「別々の高校になってもオフとかになれば一緒にボールは蹴るだろうし、1対1とかもこれまでどおりすると思っていたので、日常は変わらないと思っていました。来ると聞いた時は『また一緒か』と思いましたが、やっぱり一緒にプレーできて嬉しいなとも思いました」とらしい反応で振り返った。