身長123センチ…低身長の“現役女子大生モデル”が、「明るい日常」を発信する理由 10万人に1人の希少疾患『2型コラーゲン異常症』と生きる日々
「障がいは強み」と思えるようになった母の優しさ
私の障がいは個性であり、強み。星来さんがそう思えるのは、母親の優しい教えも深く関係している。母親はアリなどの小さな生き物を見つけると、「小さくてかわいい」と言い、「小さい=かわいい」と星来さんが思えるように工夫してくれた。 また、母親は誰かに会った時、「障がいがあって小さいですが…」とあえて星来さんの障がいを説明したそう。そのため、星来さんは「小さいことは悪いことや恥ずかしいことではなく、隠す必要などない」と思えるようになった。 星来さんは2型コラーゲン異常症の患者会の本部委員でもある。オンラインで当事者に情報を発信したり、医療関係者向けの講演会でスピーチをしたりと、障がいの周知に取り組みながら当事者の孤独感を和らげているのだ。 「私自身、患者会に入るまで同じ疾患の方に出会ったことがなくて孤独を感じていたので、患者やその家族が繋がりを持てる活動をしています」 障がいがあってもひとりの人間。ひとりひとりの目線に立って話を聞き、相手を理解しようとした上で何か必要なことがあれば、サポートをしてもらえたら嬉しい。そう話す星来さんは健常者と障がい者の架け橋だ。
前向きな女子大生も悩む“就労の壁”
そんな星来さんが今、不安に思っているのは就労の問題。大学で学んでいる医療保育や幼児教育の知識を活かして、一般企業で働きたい。そう思ってはいるが、障がい者に対する環境整備の取り組み状況は企業によってさまざまであるため、やりたいことと職場環境の両方が満たされる企業に巡り合えるのだろうかと悩む。 最近では保育実習の依頼をした際、園から「合理的配慮が必要である」という理由で断られ、歯がゆさを感じた。 「もちろん、何かあった時に責任の所在が難しかったり、他の学生と比べるとできることが少なかったりするなど、様々な理由はあったと思います。ただ、私の姿を見る前のご判断だったので、もう少しご検討いただけたらと感じました。大学の先生は私でも実習ができると感じて依頼をしてくださったので、私と話し合った上で詳しい理由の説明と共にご判断いただきたかったです」 そうした経験をすると、「違いを認めて本当の意味で共生できる社会を作りたい」という気持ちは、より大きくなる。 「今後は、テレビや講演会で経験や考えを発信したいです。雑誌やCM、ファッションショーでは低身長でもおしゃれを楽しめることを伝えたいです」 そう意欲を燃やす星来さんは医療や福祉、教育、保育などを専門的に学んでいる人や実際に現場で働いている方と当事者目線で話がしたいとも思っている。 「そうすることで、未来を生きる障がい者がより幸せな日常を送れたり、子どもたちが自然に多様性を受け入れられるようになったりするのではないかと考えています」 自身の生き方や日常を見せ、社会が丸くなることを願う大学生。その想いを受け止める企業や大人が増えることを願う。 (まいどなニュース特約・古川 諭香)
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