【“親がしんどい”一問一答】私の容姿を指摘し続ける親に、やめてほしいと伝えたい
親との会話のなかで生まれたモヤモヤはどうやって解消したらいいのでしょうか。『「親がしんどい」を解きほぐす』(KADOKAWA)の著者であり、臨床心理士・公認心理師の寝子さんにアドバイスをいただきました。 【画像】“親がしんどい”お悩み相談
タトゥーを入れたい私と入れてほしくない親。分かり合うにはどうしたらいい?
【お悩み】タトゥーを入れたい私と、タトゥーだけは絶対に入れるなという親。これだけは絶対にわかり合えないのですが、どうたらいいでしょうか。 【回答】自分の人生で何を大事にしたいか。優先順位を考えてみて 寝子さん: 親がものすごく反対していて、そのことにすごく悩んでいるのであれば、親の気持ちを優先してタトゥーを我慢するか、それを上回るほどタトゥーを入れたいのか、どちらが自分にとって優先順位が高いか考えるといいかもしれません。 人によっては、タトゥーだけでなく、美容整形、男性がネイルすることや化粧をすることに拒否反応を示す方もいますよね。親は自分とは違う人間なので、すべてをわかり合おうとしなくてもいいと思います。自分の人生で何を大切にしたいかを、よく考えて決断することがポイントです。
容姿を指摘し続ける親に、やめてほしいと伝えたい
【お悩み】昔から容姿を指摘されて傷ついてきました。やめてほしいと伝えるには何と言うのがいいでしょうか…。 【回答】これは完全なハラスメントです。自分を守る行動を最優先にしましょう 寝子さん: 相談者さんが思っている以上に、これは許されない行為です。親は自分の発言がどれだけ攻撃性があるのか、トラウマを与えるものなのか自覚していないかもしれませんが、これは間違いなく言葉による暴力です。そのような相手に「やめてほしい」と伝えても、「冗談で言ったつもりなのに」とか「そんなムキにならなくても」と言い方を変えて別の形で傷つけられる可能性もあります。 親が変わることを期待するよりも、親と接触する回数を減らして、傷ついた自分を守る行動を取ってほしいです。絶対に自分を責めず、国や民間の機関に相談したり、カウンセリングを受けることを考えてみてください。 どうしても親と関わらなくてはいけない場合は、窓口を変えてみましょう。「体調が優れない」など、理由はなんでもいいので、他のきょうだいや親戚、自分のパートナーなど、連絡がある場合は自分以外にコンタクトを取ってもらい、なるべく接触を減らす方法を取って。まずは今の自分を大切にして、絶対に自分を責めないようにしてください。 >臨床心理士・公認心理師の寝子さんに聞く「親とわかり合えないのはなぜ?」に続く 臨床心理士・公認心理師 寝子 スクールカウンセラーや私設相談室カウンセラーなどを経て、現在は医療機関で成人のトラウマケアに特化した個別カウンセリングに従事。トラウマの中でも、親子関係からのトラウマケアと性犯罪被害者支援がライフワーク。臨床業務の傍らXで心理に関する発信や、ブログ「心理カウンセラー寝子の寝言」も人気。著書に『「親がしんどい」を解きほぐす』(KADOKAWA)がある。 取材・文/浦本真梨子 イラスト/kyoko 企画/種谷美波(yoi)