【大学トレンド】障害ある学生を支える「ピア・サポーター」が増加傾向、活動内容は?
「参加の保障」を実現してほしい
今後、大学での修学支援にどんなことを期待するかを國富さんに尋ねると、次のような答えが返ってきました。 「すべての学生がリアルタイムに情報を得て、その場に参加できる『参加の保障』を実現してほしいです。例えば私の場合、音声認識でiPadに文字が反映されるまでにタイムラグがあり、画面を見ている間に講義は進んでしまいます。グループワークも同様で、画面を見ている間に話が進んでいて、今何の話をしているのかわからずに参加できないという状況がしばしばあります。情報保障があれば十分というわけではなく、学生に情報が伝わったうえで、その場に参加できるかどうかが重要です。情報保障のその先にある参加の保障に向けて、どんな合理的配慮を行うのがいいのか、お互いにしっかり話し合っていくことが大事だと思います」 どんなに想像力を働かせても当事者でないとわからないこともありますが、障害のある学生に接し関わり合うことで、理解が深まります。こうした他者理解は、さまざまな人たちが集まる大学だからこそ、学べることの一つです。多様性が求められる今の社会にあって、障害の有無にかかわらず、互いを認め合い、共に生きることを学生時代に体験すれば、共生社会を実現するための一歩になるのではないでしょうか。
朝日新聞Thinkキャンパス