93歳の現役アスリート。テニス大会で金メダル、85歳から始めた陸上では世界記録も。今でもトレーニングを続ける理由は「もっとうまくなりたいから」
長生きするなら自分の足で歩き、毎日笑顔で過ごしたい――。元気に趣味や仕事を楽しむ93歳と101歳の女性の暮らしぶりを聞いてみると、その希望を叶えるヒントが見えてきました(撮影:藤澤靖子) 【グラフ】齋藤恵美子さんの、とある日の過ごし方 * * * * * * * ◆忙しさが張り合いに 「この年齢になっても転ぶことやつまずくことはなく、病気やケガの経験もなし。もともと体が頑丈にできているのかもしれません(笑)」 そう語るのは、93歳の現役アスリート、齋藤恵美子さんだ。2023年10月には、スペイン・マヨルカ島で開催されたテニス大会「ITF世界選手権」で、90代女性部門のシングルス・ダブルスともに金メダルを獲得。 85歳から始めた陸上競技では、100m19秒37(85~89歳女性部門)のほか、200m、400mなどで数々の世界記録も樹立している。 「子どもの頃から体を動かすことが大好きで、18歳の時にテニスを始めました。最初は軟式をやっていて、42歳で硬式に転向。指導員資格を持っているので、今も週に2回、都内の教室で教えています。 陸上は、短距離走の練習を月に1回です。ウォーミングアップで体をほぐしたあと、100mを3本。そして400mトラックの直線を60%くらいの力で走り、コーナーは歩いて1周する。それを3本です」
取材当日は、午前10時から2時間、東京・四谷のテニス教室で球出しや指導を行った恵美子さん。中央区の自宅に戻って昼食を済ませたのち、千葉県松戸市にあるジムに電車で移動。パーソナルトレーナーの指導のもと30分ほど汗を流し、最後は入念にストレッチを行った。 ほかにも、毎週金曜日は約2時間かけて埼玉県飯能市へ赴き、3時間テニスの練習をしているという。あまりのフットワークの軽さに、言葉が出てこない。 「近所の大学病院内にあるフィットネスクラブにも週3回通っています。テニスやトレーニングのためなら、徒歩と電車でどこへでも行きますよ。私の長年のルーティンです」 とにかくパワフルな恵美子さんに、元気の源を聞いてみた。 「特別なことはしていませんが、しいて言えば食事でしょうか。朝は食パンにバターを塗ってトーストし、ハムと輪切りにしたゆで卵をのせていただきます。お昼も同じようなメニューで、夜は必ずお肉を食べますね。 一人暮らしなので、スーパーのお惣菜コーナーで出来合いの肉料理を買うことが多いです。以前はステーキを食べていましたが、最近は歯の調子が悪くて。ハンバーグあたりがちょうどいいですね」
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