人間関係の悩みを解決に導く、年400回以上開かれる僧侶の「心の授業」とは?
「自分ひとりではもったいない」と広まる口コミ
大谷さんの「心の授業」に魅了されて以来、ひとりでも多くの人に講演を聞いてほしいと、活動をサポートする秋葉暢康さんに話を聞いた。 北海道大空町役場に勤める秋葉さんは、人口約7300人の町民向け講演を大谷さんに依頼した。2月の講演当日は猛吹雪で、当初約100人の参加を予定していたが、集まったのは40人ほど。しかし、吹雪を押して参加した人たちは、満面の笑顔で会場をあとにしたという。半年後にリベンジとして、大谷さんの講演を開催したところ、 「当初の予定通り、100席ほどを用意したのですが、会場には300人以上の聴衆が集まって、椅子が足りなくなってしまったんです」 猛吹雪の日に講演を聞いた40人が大谷さんの話に感動し、「これは自分だけのものにしておくのはもったいない」と思い、半年後に仲間をたくさん連れてきたというのだ。 「私自身、最初の講演を聴いて衝撃を受けました。奈良からお坊さんがやって来て話すのだから、仏教の話だろうとたかをくくっていましたが、それだけではなかった。これまで、数々の著名人や、教育、ビジネスなどの専門家の講演を聴いてきましたが、こんなにも心を揺さぶられたのは、大谷さんの講演だけでした」と秋葉さん。 以降、大空町では5、6回ほど講演をしている大谷さんだが毎回、足を運ぶ人も少なくない。 「町内はもちろん、各地で大谷さんの講演を聴いていて、だいたい話の筋は読めるようになったんです。にも拘わらず、何度聞いても、その都度、感動してしまうんです」 秋葉さんによると、同じような話をほかの人がしても、同じだけの感銘は受けないだろうが、同じ話を大谷さんが何度しても、毎回、感動するのだから不思議だという。水が器によって形を変えるように、大谷さんの言葉を受け止める人のその時々の心情で、同じ話でもその都度、違う角度から考えさせられたり、気付きがあったりするためだという。 「講演の最後には、みんな笑顔になっています。別に漫才のように狙って笑いをとっているわけではなく、心のモヤモヤが晴れるからだと思います」(秋葉さん) 大谷さんの話に感銘を受け、秋葉さんのように講演開催の手伝いをする人は全国各地にいる。また、あるビジネスコンサルタントは、大谷さんの言葉を引用し、自身の講演で生かしているという。