相続したマンションの名義変更の手続きは? 必要書類から費用、かかる税金まで解説
3. 相続したマンションの名義変更の必要書類
マンションの場合には、ほとんどで建物と敷地権(マンションの底地)が一体化されており、建物と土地を別々に申請しないのが特徴的です。敷地権と一体化したマンションを「敷地権付区分建物」といいます。ただし、一部には建物と敷地の登記事項証明書が分かれているものも存在します。 名義変更(相続登記)申請に必要な書類は以下のようになります。 〈市区町村役場で取得する書類〉 戸籍謄本・除籍謄本・原戸籍謄本・印鑑証明書・戸籍の附票・住民票・固定資産評価証明書 〈自分で作成する書類〉 登記申請書・遺産分割協議書・相続関係説明図 上記の書類は、遺言書による相続登記・遺産分割協議による相続登記・法定相続登記により、それぞれ必要な書類が変わりますので、ご自身に合ったものをご用意ください。
4. マンションの名義変更にかかる費用
マンションの名義変更にかかる費用は、大きく3つに分けられます。 4-1. 戸籍謄本などの書類の取得費用 戸籍謄本などの市区町村役場に支払う発行手数料です。基本的には1通数百円ですから、ほとんどの場合は10,000円以下で揃います。 4-2. 登録免許税 相続登記の申請の際に法務局に納める収入印紙代です。固定資産評価額に1000分の4(0.4%)を乗じた額が登録免許税の収入印紙代になります。 マンションの敷地(土地)の評価額は、マンション全体の評価額が固定資産評価証明書に記載されているケースが多いため、必ず敷地権割合を乗じた額に1000分の4を掛けて算出してください。マンションの部屋は被相続人の所有物ですが、敷地はマンションを所有している人が全員で共有しています。ですから、登記事項証明書に記載されている敷地権割合を乗じた額が被相続人が所有していた土地の評価額になります。ただし、自治体によっては、固定資産評価証明書にあらかじめ敷地権割合を乗じた額を記載している場合もあり、この場合には敷地権割合を掛けてはいけません。 また、登録免許税の特例として、評価額が100万円以下の土地の登録免許税は非課税となっています。敷地権割合を乗じて計算した結果が100万円以下であれば、土地には登録免許税はかからず、建物部分の評価額に1000分の4を乗じた額が登録免許税となります(建物は100万円以下でも非課税になりません)。 4-3. 司法書士への報酬 司法書士に相続登記の代理を依頼した場合には、上述の実費とは別に報酬がかかります。すべて依頼するか、必要書類の取り寄せは自分でしてそれ以外を依頼するかなどにより報酬は変わります。また、司法書士には業界一律の報酬規定はなく、事務所単位で報酬基準を決定できます。したがって、事務所によっても変わってきますから、あらかじめ見積もりを依頼するのもよいでしょう。 相場としては、戸籍謄本等の収集からすべて依頼した場合には10万円前後(実費別)になることが多いかと思います。