大雨の農林水産被害66億円に膨らむ 愛知・大村知事が会見「農業者に寄り添った対応したい」
愛知県の大村秀章知事は20日、県庁で定例記者会見に臨んだ。今月2日の記録的大雨による県内の農林水産被害が、前週に比べて1.7倍の約66億3000万円に増加していると表明。大村知事は「さらに詳細に把握をしていく」とした上で、「農産物や施設被害は農業共済などさまざまな関連事業で対応できるよう、市町村や農協などとしっかり連携をして農業者に寄り添った対応をしていきたい」と述べた。 【動画】愛知県・大村知事が定例会見(2023年6月20日)
大葉やスイートコーンなど各地の特産品に被害
被害は県東部の東三河地域を中心に、知多や尾張を含めた県全域の19市町村に及んでいる。農作物では水稲をはじめ大葉(豊橋市、豊川市)やスイートコーン(南知多町、碧南市、田原市)、イチジク(豊川市)、カーネーション(豊橋市)など全国でも有数の特産品目で被害が発生。合わせて約14億円の被害金額が推定されている。 一方、道路や河川などの公共インフラの被害については、すでに国の災害査定官が現地を確認しに来ているという。大村知事は「まず県が応急措置をやり、復旧工事の予算を立て、(その中から)国の災害復旧事業の対象になるものは国に要請を出す」と強調した。
ICTやスタートアップ支援の募集事業3件発表
県が力を入れるICTやスタートアップ支援に関する募集事業の発表があった。 「AICHI X TECH(アイチ クロス テック)」は、行政の抱える課題をICTで解決しようとする民間企業の提案を募集する事業。実証実験に必要な経費について、1件100万円を上限に県が負担する。 「Aichi Deeptech Launchpad(アイチ ディープテック ローンチパッド)」は、破壊的イノベーションを創出し、社会課題を解決する可能性が高い「ディープテック」系スタートアップのうち、愛知県の産業構造と親和性の高い分野を中心に支援するプログラム。合計5社程度を採択し、最大4000万円の研究開発費を支援する。 起業やスタートアップへの転職を検討している社会人向けのプログラム「ACTIVATION Lab(アクティベーション ラボ)」と、学生に特化した起業家育成プログラム「STAPS(スタップス)」の参加者も募集する。大村知事は「社会経験の乏しい学生でもチームで助け合って起業の活動を高められるようにする。『習うより慣れろ』で、気付きを得ていただければ」と呼び掛けた。 (関口威人/nameken)