名優イザベル・ユペールが“不思議の国”ニッポンへ『不思議の国のシドニ』日本公開、予告映像も
イザベル・ユペール主演最新作『不思議の国のシドニ』が12月13日(金)より公開されることが決定。あわせて、本作のビジュアル、予告編が解禁となった。 【写真を見る】イザベル・ユペール主演で京都、奈良、直島を舞台に描かれるフランス映画『不思議の国のシドニ』 フランス人作家シドニが、日本の出版社から招聘されるという状況からおりなされていく本作。見知らぬ国、見知らぬ人への不安を覚えながらも、彼女は未知の国ニッポンにたどり着く。寡黙な編集者の溝口に案内され、日本の読者と対話しながら、桜の季節に京都、奈良、直島へと旅をするシドニ。そんな彼女の前に、亡くなった夫アントワーヌの幽霊が現れる。 シドニを演じるのは、フランスの至宝ユペール。ミヒャエル・ハネケ監督作『ピアニスト』(01)でカンヌ国際映画祭最優秀女優賞に輝き、ポール・ヴァーホーヴェン監督と組んだ『エル ELLE』(16)ではアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたほか、フランソワ・オゾン、マルコ・ベロッキオ、ホン・サンスなど、世界各国の名だたる巨匠とのコラボレイトで映画ファンを湧かせてきた女優だ。メガホンをとったのはフランス人女性監督エリーズ・ジラール。物語の随所にちりばめられた、日本映画や文化への溢れんばかりの愛も見どころだ。さらに、シドニと全編フランス語で会話し、深い喪失を共有する編集者の溝口健三役には伊原剛志、シドニの最愛の夫アントワーヌの幽霊役をアウグスト・ディールが演じた。 今回解禁されたのは、美しい日本の魅力を再発見することができるビジュアルと予告編。映像はシドニが“不思議の国”ニッポンに降り立ち、溝口が出迎えるシーンから始まる。亡き夫の幽霊との出会い、そして異国の地での交流を通して新たな一歩を踏み出していく様子が描かれていく。さらに、フランス人監督の目を通して映し出される自然あふれる京都、奈良、直島の情景が美しく、改めて日本の魅力を再発見することのできる映像だ。 ビジュアルには、ユペール演じるシドニが日本庭園を背景に、物憂げな表情で遠くを見つめる姿が切り取られている。周りには羽ばたく鶴の絵や桜の花びらなど、伝統的な日本を感じられる和のモチーフが印象的にちりばめられている。さらに、京都、奈良の歴史ある寺社仏閣や旅館、青空に映える鮮やかな桜など、美しい風景が並び、シドニの旅に想いを馳せる1枚となった。 名優ユペールが絵葉書のように美しい日本の風景を旅する6日間の物語。本作の公開を楽しみに待ちたい。 文/鈴木レイヤ