転倒してもフィギュア欧州選手権の表彰台独占のロシア3人娘に世界選手権で勝つ術はあるのだろうか、という考察
中庭氏は、「コストルナヤのSPに対抗できるのが、唯一、トリプルアクセルを持っている紀平さんです。成功すれば、コストルナヤの出来次第では上を行きますし、ロシアの後の2人よりは上回ります。問題はフリー。GPファイナルで挑戦、取り組んでいる4回転サルコーが必要になってきます。4回転は、試合の中でやっていかないと、わからないことがあります。足首を痛めた影響でコンディショニング作りに苦労していた紀平さんは、全日本後に少し時間がありました。そして、2月に四大陸選手権、オランダ・ハーグのチャレンジ杯と2試合を行って3月の世界選手権へ向かいます。この2試合は4回転サルコーを試すには絶好の機会じゃないでしょうか」 GPファイナルでは、紀平は、4回転サルコーに挑戦、着氷後に転倒したが、基礎点の9.70はゲットした。また痛めた足首の影響から3回転ルッツをプログラムから外していたが、3回転ルッツを復活させることができれば、若干、基礎点もアップする。紀平がSPをパーフェクトで終え、フリーで4回転サルコーを成功させたときに、ロシア3人娘と、どういう勝負になるかが注目である。“女王”コストルナヤも来季には4回転サルコーを取り入れる計画を立てているというが、先に紀平が、今シーズン中に会得しておけば、来シーズンはプログラムの完成度が高まる。2年後の北京五輪へ向けての濃密で激しい戦いが始まっている。