国民民主党の要求さえ実現しないならば、日本はもはや後進国だ
2024年も残るところあとわずかとなり、今年を振り返る話題も多くなってきた。日本株市場は3月22日に日経平均株価が一時4万1000円に達する大幅高となり、アメリカ株をアウトパフォームして、年前半は世界の投資家から注目を集めていた。 ■円安リスクに過度な対応、日本株は年後半盛り上がらず だが、7月の通貨当局による円買い介入、そして日銀の利上げ開始をうけて、8月初旬に日本株市場は急落した。 その後、ドナルド・トランプ氏の大統領再登板への思惑が揺れ動く中で、アメリカ株が最高値更新を続けた一方で、日経平均株価は3万8000円台~3万9000円台付近で方向感なく推移している。よほど大きな変動でもない限り、2024年は「アメリカ株>日本株」となり、日本株市場は「盛り上がらない年だった」と位置付けられるだろう。
日本株市場に関しては、コーポレートガバナンス強化、新NISA(少額投資非課税制度)制度の導入、などの効果を強調する論者が多かった。実際には、日本株のパフォーマンスを決めるのは、金融財政政策が妥当に行われるか、経済成長が実現するか否かであることが改めて確認されたということだ。 一方、アメリカでは実質経済成長率は2%を超える成長が続いて、インフレ率が落ち着いた。これはジェロームパウエル議長率いるFRB(連邦準備制度理事会)の金融政策がうまくいった帰結である。一方で、日銀による7月の利上げは性急な利上げだったと位置付けられる。「2%インフレ」実現に達しない中で、引締めは慎重に行うべきだったにもかかわらず、「円安リスク」に過度に反応した政策ミスだったということだろう。
2025年はトランプ次期政権の政策、FRBの政策対応がうまくいくかは不透明だが、2期目となるトランプ次期大統領のマクロ安定化政策は引き続き、大きな問題は起こらない、と筆者は予想している。 一方で、日銀による前のめりな利上げが続きそうだ。このため、アメリカ株市場はPER(株価収益率)などの指標では割高ではあるが、経済ファンダメンタルズの観点から、日本株に期待することは2025年も難しい、と筆者は考えている。