3人に1人が“認知症”危機?――増える「前段階」とは 40代から対策を…麻雀、食事の“変化”にも効果【#みんなのギモン】
■軽度認知障害の割合が認知症を上回る
小野解説委員 「今回、調査ではこんなことも分かりました。2022年、65歳以上の中で認知症の人の割合は12.3%で、10年前より2.7ポイント減っています。ところが、認知症の一歩手前の軽度認知障害の割合は15.5%で、10年前より2.5ポイント増え、逆転しています」 鈴江奈々アナウンサー 「高齢化がどんどん進んでいるので認知症の方の割合が減っているのは意外なんですけど、このデータはどう読み解いたらいいんでしょう?」 小野解説委員 「研究した九州大学大学院医学研究院の二宮利治教授は、興味深い分析をしています。喫煙率の低下や生活習慣の改善、健康意識の変化により、軽度認知障害から認知症になる人の割合が減った、以前より進行しなかった可能性があるといいます」
■「努力」で進行を遅らせることが可能
桐谷キャスター 「ということは、1人1人の努力で進行を遅らせることができるかもしれないということですか?」 小野解説委員 「そうなんです。国の研究機関がまとめた『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック』によると、認知症の前段階は何もしないと認知症に進むこともあれば、対策次第で健常な状態に戻る可能性もあります」 「適切な予防をすれば、1年で約16~41%の人が健常な状態になるというデータもあります。認知症に進行しない可能性は十分にあるといいます」 森アナウンサー 「対策をして進行しないのであれば、問題は対策をいかに知ってできるかということになりますよね」
■生活習慣病の予防が認知症対策に効果
小野解説委員 「ここからは『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック』の内容をもとに、適切な予防について考えていきます。60代でも遅くありませんが、森さんのような40代からの早めの対策がカギです」 森アナウンサー 「もう始めなきゃいけないんですね…」 小野解説委員 「1つは生活習慣病を予防することです。45~65歳未満までの中年期に、肥満や高血圧、コレステロールが高い脂質異常症、糖尿病などになると、認知症の危険を高めることが分かっています」 森アナウンサー 「私もちょっとコレステロールが高めです。生活習慣病には気を付けているんですけど、それが認知症にもつながってくるんですか?」 小野解説委員 「体は全部つながってますからね。糖尿病になるとアルツハイマー型の認知症のリスクが約2倍になるというデータもあります。健康診断などで心配な数値が出たら、ほったらかしにせず、かかりつけの医師などに相談し、しっかり管理していくのが重要です」