ガパオだけで130種類以上集めた本の著者にインタビューしたら奥が深すぎた【タイ料理好き必読】
「ガパオ黄金比」に慣れたら自分のアレンジを加えてみよう
──ガパオを作るときの調味料については、本書で「ガパオ黄金比」という配合を紹介しましたが、ここにたどり着くまでの下関さんのこだわりって、何かありますか。 下関:こだわらないのが「こだわり」かな。ガパオの味付けは、日本のから揚げの下味や野菜炒めの味付けみたいなもので、作る人によって千差万別。「これが正解」というのはないんです。 ──確かに、醤油、ナンプラー、オイスターソース、シーイウダム(タイ黒醤油)、シーズニングソース(タイで多用される醤油系調味料)など、ベースとなる調味料は、どのレシピ本もだいたい同じですが、調味料のチョイスや、組み合わせ、配合は、作り手によってさまざまです。 下関:正解がないとはいえ、ガパオを作ったことがない人が、いきなり自分流で作るのは難しいので、基本となる調味料の考え方を「ガパオ黄金比」として、覚えやすい分量で提案しました。ここから辛さや甘さを自分好みに調整をしてもらえればOKです。
──実際、「ガパオ黄金比」で作った読者の方から、「いままで適当に作っていたけど、ガパオ黄金比で作ったら、びっくりするぐらいおいしかった」という声をいただきました。 下関:油をケチらない、ニンニクを効かせる、唐辛子を入れた分だけ砂糖も入れる、というように、屋台料理的なバランスで、日本人が食べてもおいしく感じるパンチのある味を目指しました。そして最後にたっぷりガパオの葉を加えます。 ──ぼくがガパオを作るときは、最後に火を止めてからガパオの葉を加えて、混ぜるようにしています。この方が、ガパオの葉の香りが飛ばなくていいような気がするのですが、どうでしょうか? 下関:最後に余熱で火を通したほうがガパオの葉が鮮やかな緑色でフレッシュな感じに仕上がります。ただし風味に関しては、タイでも余熱派と、しっかりガパオの葉に火を通す派がいるので、どちらがいいのかは一概には言えません。