昨年〝崩壊〟の高島屋クリスマスケーキ、補強講じた今年は25日時点で苦情なし
高島屋が昨年にオンライン販売したクリスマスケーキの一部が崩れて購入客に届いた問題を巡り、同社が今年用に梱包材の追加などの補強策を講じて臨み、今月25日正午時点でクレームは入っていないことが同日、分かった。同社は「取りうる対策を行い、今年はお客さまにしっかりと届けられたと考えている」としている。 【写真】高島屋が昨年販売した「<レ・サンス>ストロベリーフリルショートケーキ」 ■破損原因は特定できず 昨年問題となったケーキは、横浜市のフランス料理店「レ・サンス」監修の「ストロベリーフリルショートケーキ」(5400円)。オンラインで予約販売し、約2800個が売れた。同年12月22日から冷凍配送したところ、SNSで破損を訴える投稿が続出。破損報告は800件超に上った。 当時はケーキに使うイチゴの入荷が遅れ、冷凍庫での凍結時間が一昨年の2週間に比べて20~25時間と大幅に短縮されていた。一方で、事前の凍結試験や保管期間中のサンプル検査などでは問題はなく、事案発覚後に実施した配送業者などへの聞き取り調査でも不備は確認されなかった。高島屋は「原因の特定は不可能」と結論づけた。 ■冷凍2週間、生クリーム装飾は上段のみ 再発防止に向け、同社は今年分のクリスマスケーキにさまざまな対応をとった。 監修は「レ・サンス」が引き続き担った一方、昨年とはデザインの異なる「フレーズリボンショートケーキ」(5490円)を販売。ケーキの安定性を重視し、下段に土台となるスポンジケーキを置いたほか、フリルのような形状の生クリームは上段部分のみに留めて、より崩れにくくした。 製造工程は、凍結時間を2週間にした。事前の試験では、昨年分と同等の環境(マイナス20度で20時間以上)で冷凍することで、ケーキの外側・中心部ともに凍結状態になっていることは確認されていたが、「万全を期した」(同社)という。 また、梱包材関連も改良した。台座は留め金数を増やしてケーキとの分離を抑制する仕様に変えたほか、ケーキ側面にフィルムを巻いたり、梱包材を追加したりして、化粧箱に入れた際の固定度を高めた。 今回分は10月初めにオンライン予約の受け付けを始め、11月下旬には予定数の約1000個を完売。12月21~25日までに配送予定だったが、同社によると、25日正午現在、当該ケーキについて、「崩れていた」などの苦情は届いていないという。
同社は「商品の製造から出荷、お届けまでに発生するリスクを洗い出し、現時点で取りうる対策をとった」としている。