RIMOWA(リモワ)の「Original」コレクションが アルミニウム製スーツケースの王様たる理由
アイコンのグルーヴデザインはドイツの航空機がヒントに
グルーヴデザインが考案されたのは1950年代。アルミニウムの表面にグルーヴ加工で凹凸を作り出す技術は、当時ドイツの最新鋭の航空機であった“ユンカースF13”の外板の設計技術から着想を得たものだ。 こうしてブランドのフラッグシップというべきグルーヴデザインのアルミニウム製スーツケースが産声を上げた。もともと衝撃や歪みに対する耐久性を高めるために作られたグルーヴデザインは、スーツケースに洗練されたイメージを吹き込み、同時にひと目でRIMOWAとわかるアイコン的な要素も付与した。
2000年にRIMOWAはポリカーボネート樹脂を使ったスーツケースを発売する。もともと航空機の窓に使われていたこの樹脂はアルミニウムよりも軽くて柔軟、かつ復元力があって破損しにくい、という優れた特性を持っていた。 この素材が使われた「Essential(エッセンシャル)」は爆発的な売れ行きを記録し、世界的に見るとアルミニウム素材のケースよりもポリカーボネート素材のEssentialの方が人気が高い、という国もあるほどの人気コレクションとなった。 ただ、Essentialの登場後も、Originalは変わらない人気を保ち続けたのだ。
デニムやレザーのように使うほどに味わいを増していく
アルミニウムは軽くて頑丈である反面、使っていくうちにどうしてもへこみやキズが入ってしまう。でも、むしろOriginalはそこが魅力的なのだ。買ったときはピカピカだったアルミニウムのボディが長年使い続けるうちに、まるでデニムやレザーのように味わいを増していく。 このコレクションはとりわけ日本での人気が高いというが、それは上質な道具を末永く使いたい、という日本人の好みにマッチしているからかもしれない。
現在、Originalはドイツ本国とカナダの工場で生産され、その全工程の約8割が手作業で行われているという。 そして、2022年にRIMOWAは、輸送中に発生した場合も含め、スーツケースに対する機能的ダメージをカバーする生涯保証サービスをスタートしたが、これも品質への自信の表れといえるだろう。