RIMOWA(リモワ)の「Original」コレクションが アルミニウム製スーツケースの王様たる理由
スーツケースを選ぶ際、どんな点を重視するだろうか。デザインや軽さ、持ち運びやすさなどさまざまな要素があるが、荷物を目的地まで安全に運べる“頑丈さ”は絶対に譲れないはずだ。 そこで真っ先に思い浮かぶのがRIMOWA(リモワ)の「Original(オリジナル)コレクション」である。1950年に初となるグルーヴデザインのアルミニウム製スーツケースを発売したRIMOWAは、その後、モデルチェンジを重ねてもその根本デザインを変えることはなく、Originalのスーツケースはブランドの定番アイテムとして定着した。 今回はタフなスーツケースの代名詞というべきOriginalの魅力を明らかにしよう。
世界初となるアルミニウム製のスーツケースを開発
RIMOWAの起源は1898年に創業者のポール・モルシェック氏がドイツのケルンに開いた旅行鞄の工房にある。彼は列車でバカンスに出かけるヨーロッパの上流階級の人たちに向けて、牛革や木材を使ったトランクを作っていた。 RIMOWAというブランド名を付けたのはポール氏の息子、リヒャルト・モルシェック氏。工房を継いだリヒャルト氏は1930年代に、自分の名前とドイツ語のWarenzeichen(商標)の頭文字をとって、ブランド名をRIMOWAと改めた。
アルミニウム製のスーツケースが誕生したのは、第1次世界大戦が終わった1920年代のこと。 当時、本社の近くの建物で火災が発生したが、その焼け跡を目にしたポール氏は、焼け焦げたがれきや木材の中に、ほぼそのまま残っていたある素材を発見した。アルミニウムだった。2代目のリヒャルト氏はこの素材の軽さと耐久性に注目し、スーツケースの開発に着手した。 1937年に発売された世界初のアルミニウム製スーツケースはレザーより軽く、そして頑丈そのもの。たちまち世界的なヒット作となった。 ただ、RIMOWAといえば、アルミニウムの外装に施されたグルーヴ(溝)デザインが有名だが、当初はフラットなアルミニウムが使われていたという。