「80代の母が倒れて骨折、入院」介護の始まりに備えること、決めること 経済ジャーナリストが実体験をもとに解説「入院中に退院後のことを決めることが大事」
在宅介護が始まったら常に要望や疑問を伝えて介護をアップデート
「在宅介護が始まれば、あとはケアマージャーにお任せして、プランに沿ってケアをすることになります。何かやりにくいこと、困ったことがあったら、すぐにケアマネに連絡をして、相談をしましょう。 ケアマネとの会話において大切なのは、わからないことを積極的に聞くこと、そしてなるべく要望を伝えること。 例えば『仕事の担当が変わり忙しくなりそう。週に2日は親の家に通うのが難しそうなので、介護保険サービスで何かいい方法はありますか?」「月に4回の通院にすべて付き添えないので、介護タクシーや付き添いをお願いしたいのですが、保険内でできますか?」などと、具体的に質問してみて欲しいと思います。 ケアマネさんとも相性がありますので、合わないと思ったら、別の人に変えてもらうこともできます。自分も無理せず親も心地いい介護生活を送るために、遠慮しないことが大切です」
介護の始まりから在宅介護がスタートするまでの流れと準備【まとめ】
介護認定を受けていない場合で、骨折による入院から介護が始まるケースの場合。 ★骨折して入院! 入院に備えて準備しておくべきもの(親に保管場所を聞いておこう)。 □マイナンバーカード □介護保険証 □健康保険証 □後期高齢者医療被保険者証 □公費負担医療受給者証 □おくすり手帳 など ★地域包括支援センターへ連絡・相談 ・親が住んでいるエリアの地域包括支援センターへ ・不安や悩み、状況を共有し、今後の介護について具体的にする ・要介護認定の進め方を確認 ・ケアマネを紹介してもらう ・家族の中で「キーパーソン」を決める ★入院中に、リハビリが必要な場合は転院先を探す ・病院のソーシャルワーカーに相談 ★リハビリ病院に転院し、リハビリを行う ・ある程度自立生活が送れるまでリハビリを実施(骨折時は、最大180日間) ・この間に在宅介護の準備を進める ・ケアマネを通じて自宅で必要な福祉用具などを整える ★要介護認定を受ける ・入院中でも実施可能 ★認定結果をもとにケアマネがケアプランを決定 ・通常は1か月程度かかる。 ・急を要するときは、地域包括センターに相談し、ケアマネと暫定的なケアプランを作成した上で、想定されるおおよその認定区分に応じた介護保険サービスを利用することもできる。 ★在宅介護スタート ・随時ケアマネに相談しながら介護生活を調整していく。 取材・文/前川亜紀