「80代の母が倒れて骨折、入院」介護の始まりに備えること、決めること 経済ジャーナリストが実体験をもとに解説「入院中に退院後のことを決めることが大事」
入院中にやるべきこと【1】「地域包括支援センターで相談」
「母の入院を機に、『いよいよ介護が始まる』と感じました。入院中に、退院後のことを具体的に準備し始めました」(以下「」内・酒井富士子さん) まずは、親の居住地の地域包括ケアセンターに相談に行くことがおすすめだという。 地域包括支援センターは、高齢者支援のよろず相談窓口のような施設。介護全般の専門家である主任ケアマネジャー、医療・保険・介護予防を担当する保健師、福祉の専門家の社会福祉士が在籍しており、地域の介護専門職の人たちと連携して介護業務を行なっている。
まずは地域包括センターへ「介護の不安を打ち明けてみて」
「相談はいつでも受け付けているので、親の介護で不安があるなら活用すべき。親と離れて暮らしている場合は、帰省のタイミングで親が住んでいる地域包括支援センターに行き、相談をしておくと気持ちの面でも楽になると思います。要介護認定を受けてなくても、地域包括支援センター内の職員さんが、サポートしてくださいます。 第三者に相談することで、ご自身の介護についての考え方に改めて気づくこともあると思います。一緒に住んで在宅介護をしたいのか、離れて暮らしながらケアを続けるのか、介護の方針を定めておいたほうがいい。 今は親と同居して献身的に世話をするという時代ではありません。介護が必要になっても親にはなるべく自立した生活を送ってもらう、介護をする側の家族も仕事は辞めることなく、自分たちの生活を維持しながら親のケアをする。そのために介護サービスを活用する、プロにおまかせするという考え方が主流になってきています。 私自身も、母親の入院中に地域包括ケアセンターに連絡し、職員のかたに今後の生活について相談をしました。 母親が骨折で入院、父親も元気ではあるものの母親の介護を担うほどの体力も判断力もなくなってきている。こうした場合、どのような流れで介護をすればいいのか、その後の生活はどうなるかなど、今後の流れなどを聞いておくことで、介護に必要なものや、気持ちの準備もできると思います」