最終日、１７番でバーディを決め、ガッツポーズする杉浦悠太

◇２７日　米男子ゴルフ　ＺＯＺＯチャンピオンシップ最終日（千葉県印西市、アコーディアＧ習志野ＣＣ） 　愛知県高浜市出身の杉浦悠太（２３）が通算１３アンダーで６位と健闘し、日本勢唯一のトップ１０入りを果たした。６バーディー、２日連続のボギーなしでこの日のベストスコアタイの６４をマーク。１０位以内に入り、次戦のワールドワイド・テクノロジー選手権（１１月７～１０日、メキシコ）の出場権を得た。松山英樹（３２）＝レクサス＝は６８で、通算４アンダーの４６位。ニコ・エチャバリア（３０）＝コロンビア＝が通算２０アンダーでツアー通算２勝目を挙げた。 　「復活を、ここでできました！」。ルーキーの杉浦が、米ツアー初挑戦で堂々のトップ１０入りを果たした。ショットに加え、最終日はパットも好調。１７番で１０メートル以上のラインを決めると上位入りを確信し、珍しく右拳を大きく握った。 　常に泰然自若と構え、どんなピンチにも動じない。その真骨頂が、最終１８番パー５だ。第１打は左の林。グリーンは直接狙えず、隣のホールのフェアウエー方向に出そうとしたが、今度はラフまで突き抜けた。トップ１０入りを外すかもしれないピンチだったが、慌てずに林越えの第３打を９番アイアンで狙った。ボールはグリーン右のラフへ。慎重に２打で収め、２日連続ノーボギーを完成させた。 　昨年１１月、日本ツアーでアマチュア優勝してプロ宣言。今季は開幕戦から５戦連続でトップ１０に入り、７月には日本プロ選手権でプロ初勝利を挙げた。しかし、疲労からくる右肘痛に襲われた夏以降は思うようなプレーをできなくなった。８月末から４試合連続で欠場し、２週前の日本オープンでは今季初の予選落ち。それでも休んでいる間に、肘に負担のかからないスイングや体の可動域を見直し、今は痛みを感じないという。 　トップ１０に入ったことで問題も発生した。米ツアーの次戦が開催される２週後は、日本で三井住友ＶＩＳＡ太平洋マスターズ（静岡）が行われる。現在の賞金ランクは１位の平田憲聖（エレコム）まで約４７００万円差の６位で、１１月は高額賞金大会が続く。「今年の目標は賞金王」と定めてきただけに、一気に目標へ近づける日本も捨てづらい。 　米ツアーは夢であり、「せっかく自分で手に入れた権利。行きたい気持ちはすごくある」という。目標を取るか、夢を追うか。悩める日は、しばらく続きそうだ。 　▼杉浦悠太（すぎうら・ゆうた）　２００１年９月１２日生まれ、愛知県高浜市出身の２３歳。１７２センチ、７４キロ。３歳からゴルフを始め、福井工大福井高時代からナショナルチーム入り。日大４年時の昨年、９月に下部ツアーで勝ち、さらに１１月のダンロップフェニックスで２日目から首位を走ってツアー史上７人目のアマチュア優勝。その日のうちにプロ宣言した。日本ツアー通算２勝。