大谷は７回に盗塁を試みた時に左肩を負傷。ベンチに引き揚げた。(C)Getty Images

　苦悶の表情を浮かべるスーパースターに向けて挑発的行為が目撃された。 　現地10月26日、ロサンゼルス・ドジャースとニューヨーク・ヤンキースのワールドシリーズ第２戦が行なわれ、ドジャースが４対２で勝利を収め、本拠地でのシリーズ連勝を飾った。先発した山本由伸に勝ち星が付いた一方で、１番・指名打者でスタメン出場した大谷翔平は３打数ノーヒット。７回には盗塁を試みてスライディングした時に左肩を負傷し、そのままダグアウトに引き揚げるスーパースターの痛々しい姿に対し、一部ヤンキースファンの”ある行動”が問題視されている。 【動画】大谷翔平の負傷を喜ぶヤンキースファン…中指を立てる愚行も（12秒から～） 　ドジャースが３点リードした７回、１死走者なしで大谷は四球で出塁。次打者が倒れ、２死一塁のところで大谷はテオスカー・ヘルナンデスの打席の初球に二盗を敢行。相手捕手の強肩が勝り、惜しくもタッチアウトになった。だが、スライディングをして二塁手のタッチをかわそうとして滑り込んだ時に左肩を痛めたようで、大谷はしばらく立ち上がれなかった。グラウンドに倒れたまま苦悶の表情を浮かべる大谷の姿にドジャー・スタジアムからは悲鳴が上がり、デーブ・ロバーツ監督もトレーナーとともにすぐに駆け寄り不安な様子を隠せなかった。 　大谷はこのあと自力で立ち上がったが左腕を伸ばすことはできず、トレーナーに支えられながらダグアウトに消え、球場は騒然となった。 　 　誰もが球界のスタープレーヤーの負傷状況を心配するなか、一部ヤンキースファンの過激な挑発行動が問題となっている。首都ワシントンを拠点に置く米ウェブサイト『The Daily Caller』によると、「ショウヘイ・オオタニの肩のケガを祝うヤンキースファンの映像が公開される」と銘打った見過ごせない記事を配信。小さくない波紋を広げている。 　記事によると、大谷が左肩を負傷して二塁ベース付近でうずくまっている映像をパブリックビューイングで観戦していたヤンキースのユニホームを着たファンは大谷の負傷を祝うかのような拍手を送り、なかにはブーイングを浴びせた。さらには中指をたてる愚行を犯すファンも見受けられた。会場のヤンキースファンの中にも大谷のケガに動揺し、「Wow...」「Non...」と心配する声も寄せられたが、会場はグラウンドを去る大谷に向けて大きなブーイングが浴びせられた。 　同メディアは「ヤンキースファンがオオタニの怪我を祝う動画が拡散され始めた。なんと、中指を立てる人間もいる...」と愕然。信じられない光景について、「ニューヨークのファンたちに、本当にこれ以上何を期待できるというのだろうか？」と憤り、見過ごせない愚行を断罪した。「これが卑劣な行為であることは認めるが、もう一度聞く...ヤンキースファンは他に何を期待するんだ？」と重ねて問いかけた。 　一部のファンの暴走とはいえ、負傷で苦しむプレーヤーに向けられるアクションではない。 構成●THE DIGEST編集部